受賞一覧
髙橋成実連携研究フェローが令和8年防災功労者内閣総理大臣表彰を受賞しました
髙橋成実連携研究フェローが令和8年防災功労者内閣総理大臣表彰を受賞しましたのでお知らせいたします。
「防災功労者内閣総理大臣表彰」とは、『「防災の日」及び「防災週間」について』(昭和57年5月11日閣議了解)に基づき、災害時における人命救助や被害の拡大防止等の防災活動の実施、平時における防災思想の普及または防災体制の整備の面で貢献し、特にその功績が顕著であると認められる団体または個人を対象として表彰されるものです。
表彰式は、9月15日に総理大臣官邸で行われました。
功績の概要
氏は、地震・津波観測監視システム(DONET)の開発に携わり、リアルタイムデータを用いた津波即時予測システムの開発と実装に大きく貢献した。
平成24年に津波到達時刻、津波高、浸水エリア、浸水深分布を即時予測する技術を確立、津波即時予測システムとして和歌山県と中部電力に実装し、平成28年には三重県に、令和元年度には千葉県に実装した。
各県が気象業務許可を得られるよう支援するとともに、継続的に安定した運用を支え、15年目を迎えている。
加えて香川大学や静岡県立大学といった地域拠点大学にも展開したことで地域内の産官学民の防災の議論が活発化している。
氏は、地震・津波のリアルタイムデータの地域防災への利活用に取り組み、南海トラフ地震や海域構造に関する文部科学省受託研究他において、国内外問わず、地域防災への取り組みを継続している。
(内閣府令和8年防災功労者内閣総理大臣表彰の受賞者決定についてより)
受賞コメント
栄誉ある表彰をいただき感謝申し上げます。
今回の受賞にあたり推薦頂いた文部科学省をはじめ、関係者の皆さまに感謝いたします。すでに公表されている功績にもあるとおり、これまで進めてきた津波即時予測システムの地域実装と長期間にわたる運用実績について評価いただいたものと思います。これは、私一人で実現できるものではなく、研究者の皆さま、プログラミングやデータ伝送を担当いただいた方々、運用の窓口としてかかわってこられた方々など、多くの皆さまに支えられて実現したものです。深く感謝いたします。ありがとうございました。
この津波即時予測システムは、海域観測網のリアルタイムデータをもとに、津波の到達時刻、津波高、浸水深分布、浸水エリアを即時的に予測するもので、2012年の和歌山県と中部電力への実装から始まっています。ご存じの通り、津波警報や津波注意報は気象庁から発表されていますが、当時、細かい津波情報を即時的に出せないか、というお話を地震・津波観測監視システム(DONET)の開発段階からいただいていました。断層運動による海底での地殻変動だけでなく、様々な海底での現象が津波の励起につながり得ることを念頭に、即時的な観測事実に重きを置き、予測の各要素に柔軟性を持たせる方針で開発を進めてきました。過去には誤報を出し、多くの方々にご迷惑をおかけしたこともありました。これらの失敗経験と改良を繰り返して現在に至っています。その後、三重県、千葉県にも導入し、気象業務許可を各県で取得して、長期的な運用に至っていますが、情報の利活用方針の検討も併せて行っています。
現在は、南海トラフ地震等巨大地震災害の被害最小化及び迅速な復旧・復興に資する地震防災研究プロジェクトの一環として、更なる即時情報の利活用を進めています。高潮の影響が大きいような一部の地域では、潮位変化を津波予測に反映できる仕組みや津波瓦礫漂流予測の開発も進めています。既に防災科研で確立された地震被害即時推定や地震防災基盤シミュレーターの利活用、また、なかなか防災には利活用が進まない地殻活動情報もその利活用方法から地域の様々な組織の皆さまと検討しています。これらの情報を各地域の拠点大学やステークホルダーの皆さま、地域を支える企業の皆さまに伝え、包括的に地域の地震や津波に対する防災力向上に貢献できるよう、今後も取り組んでいきたいと思います。
