〒305-0006 茨城県つくば市天王台3-1 Tel 029-851-1611 Fax 029-851-1622火山災害に強い社会のための火山データの共有・利用推進火山防災研究部門 上田 英樹2020.2.13 令和元年度 成果発表会火山における調査や観測によって得られる正確な「火山データ」は、科学的知見に基づいて行われる効果的な防災対策や対応には無くてはならないものです。わが国では、防災科研を含む様々な組織や研究者が、火山研究や業務のためにデータを取得しています。防災科研が開発・運用しているJVDNシステムは、各種火山データをオンラインで共有するシステムです。JVDNシステムは、各機関から提供されたデータを保存・提供するとともに、様々な火山データを処理したり可視化して提供することで、データ活用や組織間の連携を促進し、火山研究を発展と火山防災に貢献することを目指しています。特に、JVDNシステムで提供している防災科研のV-net観測点のデータは、安定した高精度で高品質のデータです。V-netデータとJVDNシステムに集約される多項目のデータの活用によって、リアルタイムでの火山活動の把握に留まらず、火山災害も把握することが可能になります。例えば、火山灰の調査結果をスマートフォンアプリ等でJVDNシステムに集約し、他のデータと合わせることで、迅速な被害予測が可能になります。また、過去の火山災害時のデータのアーカイブは、繰り返し発生する火山噴火に対応するための貴重なデータベースになります。JVDNシステムによりデータの共有と活用を広げることによって、火山研究や防災に貢献できるものと考えています。■V-net観測網による、高精度・高品質データの安定供給。■JVDNシステムによる、データ共有、活用、連携の推進。■データ活用による、噴火予測、災害予測技術の開発。さらに、V-netデータやJVDNシステムに集約された多項目の火山観測データを活用し、火山災害把握技術など、これまでにない技術の開発や、人材育成や防災意識の向上などにも活用範囲を広げ、火山防災に貢献したいと考えています。高品質火山データを生産・供給し、共有・利用促進を図ることによって、火山災害に強い社会の実現を目指す。引き続きV-netの整備・維持管理を行い、高品質データの安定生産・提供を続けます。JVDNシステムを広く普及させ、データ活用や組織間及び研究分野間の連携を促進し、噴火予測技術などの火山研究の発展に貢献します。JVDNとは、国内で火山観測を行っている関係機関の連携を強化し、火山研究を発展させ、火山防災に貢献しようとするしくみです。JVDNには、防災科研をはじめ、各大学、気象庁、産総研、国土地理院などの主要な関係機関が参加しています(現在各機関と協議中)。各機関の各種観測データがJVDNシステムのデータベースに保存され、可視化ツールを通じて共有されることによって、多分野連携による共同研究を促進します。さらに、研究コミュニティーと防災機関の連携により、火山防災に貢献します。JVDNは、文部科学省による委託事業「次世代火山研究推進事業」にて防災科研を中心とした開発チームにより開発が行われています。V-net及びJVDNシステム災害時対応、降灰情報等人材育成、関係機関の連携促進、防災意識の向上図又は写真1点V-net観測点防災対策火山監視火山研究人材育成火山災害に強い社会JVDNシステム(データ共有・流通)対策・火山情報等科学的知見人材科学的知見教育高品質火山データの生産・供給処理技術開発JVDNシステムデータベース
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