防災科学技術研究所 令和元年度成果発表会 概要集
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〒305-0006 茨城県つくば市天王台3-1 Tel 029-851-1611 Fax 029-851-1622災害停電時と屋外観測の電源確保水・土砂防災研究部門  宇治 靖2020.2.13 令和元年度 成果発表会2019.○○.○○○○○○○○○○○○○■必要な場所のデータを、すぐに取得したい。■問題は電源確保。■解決できれば、災害停電時にも有効な手段では。国家レジリエンス研究推進センター「線状降水帯の早期発見および発達予測情報の高度化と利活用に関する研究」にて可搬型マイクロ波放射計のシステム構築を進めている。この可搬型マイクロ波放射計の活用方法として、必要な場所で必要なデータをすぐに取得できる事が必須である。ここで問題になってくるのは、電源確保をどうするか︖という事である。必要になる容量としては、100V-1500VAを想定している。商用電源を使用するには、契約・工事に時間が掛かる為、自己発電を考える必要があり、候補としてはソーラー発電・ディーゼル(ガソリン)エンジン発電機・LPガスエンジン発電機が考えられる。調査した結果(右図参照)、LPガスエンジン発電機が有効という結果に至ったが、問題点として大型据付タイプに比べ、可搬型発電機全般的に長期間の運用が難しい点が確認された。理由として、可搬型発電機は短期間(100~150時間)でのエンジンオイルの補充等、頻繁にメンテナンスを行う必要がある。そこで、現在市販されている可搬型LPガス発電機を複数台使用し、それを切り替えて使用する事で長時間運用できるシステムと、メンテナンス体制を構築するとともに、株式会社関電工と共同研究を結び、長時間運用可能なLPガスエンジン発電機の開発を進めている。関電工で開発を進めているLPガスエンジン発電機は、遠隔制御ができるほか、蓄電池を搭載する等多機能であり、製品化されればいろいろな用途での使用が期待される。LP︓LPガスエンジンD:ディーゼル(ガソリン)エンジンS:ソーラー2020年1月より市販LPガスエンジン発電機を複数台使用したシステムと、関電工にて開発中のLPガスエンジン発電試作機での実証実験を平行して行い、来年度からの可搬型マイクロ波放射計本格運用の為、システム構築を進めていく。問題点として長期運用時エンジンオイルの補充等メンテナンスが必要になってくるが、一般家庭同様、定期的にガス業者さんのプロパン交換作業実施時、合わせてメンテナンスを依頼すればその問題も解決できる。今年は千葉県などで、台風の影響による長期大規模停電が発生したが、このようなLPガスエンジン発電機を常設しておく事で、燃料は家庭用プロパンガスの為、万が一の時に備える事ができ、関電工で開発中の多機能型発電機が製品化されれば、災害時、自治体や企業等での活躍が期待できる。今後家庭用プロパンガスを利用した発電システムが広く浸透していくように、このシステムを防災産業展等でご紹介できればと考えている。可搬型マイクロ波放射計のシステム構築

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