〒305-0006 茨城県つくば市天王台3-1 Tel 029-851-1611 Fax 029-851-1622台風災害に関するデータベース水・土砂防災研究部門 栢原 孝浩2020.2.13 令和元年度 成果発表会■1951年からの日本に被害をもたらした台風に関するデータベース。■分散して存在している台風被害情報を取りまとめ、一カ所で閲覧できる。台風によりどのような被害が起こっていたか知っておくことは、台風災害を低減するためにも重要です。国や自治体の機関は、災害情報を取りまとめて、それぞれが災害資料として公表しています。しかしながら昔の台風では、被害情報は書籍資料となり閲覧は容易ではありません。また近年の被害資料は、インターネット上から閲覧できるようになりますが、それぞれの機関に分散しており、災害資料場所もそれぞれに異なっております。そこで分散している災害資料を取りまとめて、1951年からの台風被害についてインターネット上から閲覧できるデータベースを構築し公開しています。被害情報は主に気象庁、消防庁、地方自治体による災害・被害資料等に拠っています。登録されている情報は、台風概要、海面気圧、衛星画像、降水分布、中心気圧、中心付近の最大風速、被害情報等です。被害の種類を指定することで地図上で都道府県、または市町村単位での分布を表示することもできます。台風接近時には、接近中の台風に類似する経路を持つ過去の台風について情報提供しており、データベースから台風の概要、被害情報を提供しています。2019年に日本に被害をもたらした台風平成28年台風第10号は、気象庁の1951年からの台風の統計では初めて太平洋側から東北に上陸した台風となりました。類似の経路を持つ台風がない場合は、過去の台風の情報提供ができなくなります。令和元年台風第19号では、広範囲に記録的な大雨を降らせて、各地に浸水被害をもたらしました。これまで無かったような経路や大雨をもたらす台風について、参考となる類似台風情報を検討する方法として、「地球温暖化に資するアンサンブル気候予測データベース(d4PDF)」による大気気候モデルを用いた将来気候実験の結果を利用します。90種類の分布を用いた61年分の多数のデータが利用できることで、まれな経路を持つ台風やまれな大雨をもたらす台風について解析を行い、まれな台風経路や雨量分布情報の提供を検討します。台風第15号の概要、住家被害分布(全壊・半壊・一部破損(黒)、半壊・一部破損(橙)、全壊(黄)、一部破損(赤))
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