自然災害事例の収集と網羅マルチハザードリスク評価研究部門 鈴木 比奈子2020.2.13 令和元年度 成果発表会■日本全国の自然災害事例のデータベース化■過去の災害事例の統合的情報発信■災害発生状況から居住地域の自然災害脆弱性の把握過去の自然災害事例は、その地域の災害傾向を示し、地形や地質、社会条件の地域の災害発生状況は災害発生の事例が確認されていない類似の地域の災害発生リスクを示唆する。しかし自然災害の発生種類や事象の発生間隔は様々であり、それらを記録する災害資料もまた様々な形で各地に点在している。そのため、過去の災害事例は現象ごとや地域内で整理されてきた。災害事例を日本全国統一した基準で俯瞰し、災害現象の発生地域、間隔、現象同士の関連性の把握、他の情報と合わせて解析可能なデータとするべく、マルチハザードに対応した自然災害事例のデータベースを構築する。災害事例データベースのこれまでの収集状況は以下の通りである。•収録単位︓日本全国の市区町村単位•収録期間︓416年~2018年•収録自治体︓1444/1741(82.3%)•整備レコード数︓約61,000レコード•出典資料︓地域防災計画データ構築により、17.7%の自治体の地域防災計画に災害事例の記述が無いことがわかった。全事例6万1000件中、約81%が1901年以降に集中していた。災害事例のデータベース化と災害事例データベースを地図化し、災害事例の閲覧に特化した「災害年表マップ」マルチハザードの発生状況から災害脆弱性を抽出するためには、事例情報の質的向上、特に時間的な情報の網羅が必要である。地域に残存する市町村誌や災害誌の収集ならび事例のデータベース化を実施する。他の災害データとの相互利用には、災害イベントのID化が必要である。現状では自治体ごと事例情報をデータベース化しているが、これらをまとめる災害事例のイベントIDの検討と整備を行いたい。加えて外部APIシステムの強化を行う。現在は災害事例データは過去の情報のみであるが、発生している自然災害の資料収集、入力の仕組みづくりと情報の整備を実施する。データベースの逐次更新と災害事例IDの整備を意図する。災害情報の統合的発信にむけた災害資料と自然災害事例データベースの連携、自然災害事例の定義に関する課題抽出を実施する。データベース格納災害事例のデータベース化と弱性を抽出データベース地域防災計画などの災害資料•Web-GISにて公開•RESTAPIにて発信GISデータ化
元のページ ../index.html#89