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Published by E-Defense, NIED, Apr 25, 2013,Vol.9 No.1
南海トラフ巨大地震などの将来の地震災害に立ち向かうために
 検証試験に用いた試験体の全景
 平成25年3月18日、南海トラフ巨大地震の被害想定の第二次報告として、施設等の被害及び経済的な被害がとりまとめ公表されました。最悪ケースによる被害想定は、被害想定額(220兆円)とうい途轍もない規模のものでしたが、建物の現状の耐震化率を100%まで向上させるとともに、出火防止対策等を併せて講ずることによって、資産等の被害額は約170 兆円から約80 兆円に減ずると試算されています。この地震は、東北地方太平洋沖地震と同じように、複数の断層の連続的な破壊により長時間の揺れとなり、長周期の成分も含まれると予想されるものです。E−ディフェンスでは、これら将来の巨大地震に立ち向かうため、まずは、震動台が長時間の加振実験を可能とするように24年度施設整備費補助金により改造しました。
 今後は、このリニューアルされた震動台を活用し、適切な建物の耐震化や軟弱地盤の液状化対策を導くための実験・研究を行い、被害の低減に貢献していきます。
 さらに、免震構造、プラント機器配管、道路橋脚、土木構造物、ライフラインなどについて、将来発生する未知の地震動を相手とした加振実験を必要な限り実施すると共に、数値シミュレーション技術の高度化も行う予定です。加振に用いる地震動には、観測された波形に加え、連携している(防災科研)地震グループの研究成果も活用していきます。この体制も含め、平成25年度実験は、新生E−ディフェンスの第一歩です。


(文責:兵庫耐震工学研究センター センター長 梶原 浩一)
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長周期・長時間化改造工事 性能検証試験公開について
 検証試験の事前説明会の状況
 東日本大震災を例とする海溝型大地震が発生した際に生じる、長周期・長時間地震動による被害解明と被害軽減技術の研究開発は、直下型地震への研究開発と同様に緊急の重要課題です。
E−ディフェンスでは、将来の地震を見据えた地震対策研究を推進するため、短周期・長周期等の全周期帯域の長時間加振を可能とする震動台の改造工事を進めてきましたが、本工事の最終段階として完成した工事の状態を検証する試験を3月29日に公開しました。
(工事内容は右記を参照:「E-Defense Today Vol.8,No.2」)
 性能検証試験では、震動台上に約1000tの実物大のRC造4階建て免震建物を載せて、長周期成分を多く含む地震波で約5分間の加振を2回行い、従来の長周期地震動の実験では油量の制限により再現出来なかった鉛直方向を含めた地震波を完全に再現出来る事を確認しました。
<1回目加振> 東北地方太平洋沖地震(M9.0)  K-NET 古川波
<2回目加振> 東海・東南海想定地震(M8.3)  名古屋・三の丸波
 公開はE−ディフェンスの利用促進と改造工事内容の周知を目的として関係機関へ案内を差し上げました。公開試験当日は年度末の最終日にもかかわらず約60名もの方が来場されました。
 また、南海トラフ巨大地震の被害想定の第二次報告が3月18日に公表されたこともあり、報道関係者の関心は高く、取材申込数は21社約50名となり、つくばを含めて過去最多でした。改めて今回の検証試験と今後のE−ディフェンスを利用した実験研究に対する関心の大きさ、強さを感じました。来場者や報道関係者に対しては梶原センター長及び阿部運営監理室長が試験概要と結果の報告を行いました。
 結果説明に対する質問として、
「今回の改修の必要性と今後どのように研究に結びついていくのか?」
「どの様な改造を施したのか?」、「費用は?」或いは「分かったことは何か?」
「免震装置、免震建物の有効性を実証する実験についてどう考えているか?」
「長周期地震動に共振する高層ビルについて関心が高いが、今後そのような実験の予定は?」
などの多方面に渡るものでありましたが、今回の改修工事の目的と今後の活用計画にご理解を得られたと考えています。
 プレスへの検証試験結果の発表報告
 さらに視察にお越しになられた丹羽文部科学大臣政務官からは「E−ディフェンスを活用した実験を通して国土強靱化計画に役立てたい」のお言葉を頂きました。
 幸い大きなトラブルも事故も無く終えたのは、関係頂いた皆様のご協力によるものと感謝致します。一方、様々な反省事項は今後の公開実験に生かしたいと考えます。
皆様の引き続きのご支援をE−ディフェンスに賜りますようお願い申し上げます。
(文責:研究支援グループ 田邊 マミ、大橋 猛)
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