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Published by E-Defense, NIED,Apr 26, 2012,Vol.8 No.1
首都直下地震防災・減災特別プロジェクト最終成果報告会 開催される
 文部科学省委託研究「首都直下地震防災・減災特別プロジェクト」の最終報告会が、2012年3月8日、東京大学安田講堂にて開催されました。本プロジェクトは発生の切迫性が高く、発生した場合には甚大な被害が予想される首都直下地震の全体像を解明するとともに、地震災害の大幅な軽減に資することを目的として、地震学(東京大学地震研究所)、耐震工学(防災科学技術研究所)、社会科学(京都大学防災研究所)の各分野の参画機関の連携により、平成19年度から平成23年度までの5年間実施されました。
 兵庫耐震工学研究センターでは、サブプロジェクトA「都市施設の耐震性評価・機能維持に関する研究」を分担し、首都直下地震に対する都市施設の直接被害を軽減し、建物の機能を確保していくための防災・減災対策の研究に取り組み、実大三次元震動破壊実験施設(E−ディフェンス)を活用した高層建物や医療施設の実験研究を行ってきました。最終報告会では、研究代表者の佐藤栄児主任研究員より、一連の実験研究の成果が報告されました。
 最終報告会は、首都直下地震に関する最近の報道の影響からか、申し込みは2月中旬には満席状態、開始30分前には会場は多くの聴講者の熱気に包まれました。プロジェクトディレクターの本蔵義守東京工業大学名誉教授によるプロジェクト概要の説明から始まり、東京都危機管理監の醍醐勇司氏の招待講演「東京都の地震防災対策」の後、各サブプロジェクトの研究成果が、東大地震研(サブプロ@)、防災科研(サブプロA)、京大防災研(サブプロB)と報告されました。
 サブプロ@からは、平田教授から、過去に発生した首都圏での直下地震のメカニズムや、首都圏地震観測網で明らかになった首都圏の地下構造が説明され、次に纐纈教授から想定東京湾北部地震による強震動予測の状況が報告されました。サブプロ@から、想定東京湾北部地震の最新の強震動予測の結果が示されるのでは?と聴講者が固唾を飲む中、最終的な報告は年度末に持ち越され(2012年3月30日に発表される)、やや消化不良気味な雰囲気の中、佐藤主任研究員の報告となりました。
 報告では、サブプロAの5年間の研究で一貫として取り組んできた長周期地震動によるリスク、とくに、耐震性が高い免震建物や超高層建物に潜在するリスクを世界で初めて明らかにした実験結果を、動画を踏まえ解り易く説明しました。また地震直後にも医療行為が求められる病院や、都市機能を担う超高層建物のオフィスビル等について、建物機能維持の面に着目し、室内被害を軽減する対策の効果に関する実験結果等が紹介されました。最後に、佐藤主任研究員より、首都直下地震などの想定地震に対する減災のために「今すべきこと」として、以下の項目が説明されました。
(1)「関心を持つ。」
(2)「現状を把握する。」(建物構造,室内環境・設備)
(3)「想像する・考える。」(被害想定,対策方法,震災後の対応・備えなど)
(4)「実行する。」(考えたことを実行する。)
(5)「継続する。」(常に,関心を持ち,実行したことを続ける。)

これらの項目は、本プロジェクトの遂行においても、各サブプロジェクトの参画機関が横断的に連携して情報交換を行うステップで実践されており、地震学−耐震工学−社会科学での研究を連続的にかつ有意な成果に初めてまとめあげたものと感じています。
 各サブプロジェクトの報告の後、最後に本蔵教授、醍醐危機管理監、平田教授、佐藤主任研究員、林教授によるパネルディスカッション「首都直下地震に備えて」が行われ、フロアからの質問への回答も交えながら、終了しました。
 サブプロA「都市施設の耐震性評価・機能維持に関する研究」では、前述した(1)〜(5)の項目を行う際の一助になるように、実験結果を解りやすくまとめたハンドブックやパンフレット、映像資料をはじめとする技術資料をホームページ上に公開しています。また首都直下地震防災・減災特別プロジェクトの報告書も掲載しています。是非、一度、ホームページにアクセス頂き、これらの技術資料に目を通して、防災減災活動の第一歩に使って頂ければと考えています。
http://www.bosai.go.jp/hyogo/syuto-pj/index.html
実験結果の動画を踏まえながら報告する
佐藤主任研究員
 パネルディスカッションの様子
                (文責:研究チーム 吉澤 睦博)
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地盤・地下構造物の震動台実験速報
 本実験は、平成24223日、24日、28日の3日間にわたり、平成23年度の防災科研の自体研究として実施されたものです。E−ディフェンスを用いて、地盤と地下構造物を模した試験体に地震動を入力することにより、地盤と地下構造物の相互作用や地震時挙動、破壊にいたるまでのプロセスなどを調査・検証しました。
  試験体は、内径8.0m、高さ6.5m の円筒形土槽内に、大型地下構造物模型を設置、地盤材料を投入することにより作製しました。土槽は、40段のリングおよびリングとリングの間に設置されたレール上のリニアベアリングから成る特殊な構造を有しており、水平方向に自由に動くように設計されています。
 
 矩形断面を有する水平地下構造物(高さ30cm、幅60cm、長さ3m)に接続された2 体の鉛直構造物(幅80cm×80cm、高さ7m:地中部6m、地上部1m)と、2 体の円形断面を有する水平地下構造物(直径40cm、長さ約7m)の、計5体の地下構造物模型を設置しました。約15度傾斜した基盤としてセメントと砂の混合物を、表層地盤として乾燥砂を用いました。詳細なデータを得るために、各構造物模型や地盤中に合計約900個の計測機器を、また、構造物模型の地震時挙動を把握するために、構造物模型の内空間に小型高速度カメラを設置しています。
 地盤と地下構造物の相互作用は複雑であることから、加振実験では、基本入力波として周波数特性が明確なステップサイン波を用いました。また、地盤と構造物の地震時挙動を調べるために、実地震動も入力しました。
 2月28日には公開実験が行われ、約50名の御来場者が見守る中、1995年兵庫県南部地震において観測されたJR鷹取波を80%にスケールダウンした波形を試験体に入力しました。地下構造物模型は地盤の中に設置されており、地表面上では鉛直構造物の上部のみしか見えないことから、大型スクリーンとプロジェクターを用いて、地下構造物の内空間に設置した高速度カメラの映像をリアルタイムで放映しました。
 加振の結果、地表面で約22cmの最大水平変位が計測されました。また、構造物の内部では、矩形断面を有する水平構造物と鉛直構造物の接合部において空隙が生じ、周辺の砂が構造物内に流入する現象が確認できました。この結果により、悪条件が重なり、接合部分の設計・施工精度が著しく悪い場合、巨大地震の発生に伴い、接合部分において構造物が損傷を受ける可能性があることを示せました。
 
 今現在、実験データの整理・分析を進めております。実験結果を基に得られた成果は、学会等において、随時発表していく予定です。最後に、本実験の研究分科会(委員長:東畑東京大学教授)をはじめとして、多くの方々からご指導・ご助言をいただき、何とか予定通りの日程で実験を実施することが出来ました。この場をお借りして、厚く御礼申し上げます。
                (文責:研究チーム 河又 洋介)
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新戦力紹介
 本年4月から特別研究員として勤務しています金好昭彦です。生まれも育ちも大阪は天王寺、社会人になっても会社は御堂筋沿いの本町、新大阪で人生の大半を都市圏で活動していましたが、この度自然溢れるこの地で活動することになったことを楽しみにしています。
 これまで30年余りゼネコンの間接部門でコンクリート構造物に関わるほとんどの領域を業務の対象としてきました。具体的にいえば、新設および既設コンクリート構造物の健全性評価とその対策を主なテーマとした社内外での業務活動というと解りやすいと思います。その間に多方面で培い育んで身に着けた技を当センターで活用・発揮していきたいと考えています。
 これからE−ディフェンスに関わることによって今般話題となっている長周期地震動対策への一助となればと思っています。皆様のご指導・ご支援の程、よろしくお願いします。
                
(文責:運営監理室 金好 昭彦)
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