国立研究開発法人防災科学技術研究所 兵庫耐震工学研究センター |
概要
1995年兵庫県南部地震でビル、木造家屋、橋、道路、港湾など多くの構造物が未曾有の被害を被りました。これを契機に、今までの構造物の耐震性の評価方法を見直す必要が認識され、その方向性の一つに、構造物の破壊過程を調べることが重要とされました。そのためのデータを取得する必要がありますが、既存の施設にはそれを達成するだけの十分な性能を有した新たな施設建設が必要となりました。
2005年4月からの研究開始に向けて建設された実験施設が、本研究センターの実大三次元震動破壊実験施設(E−ディフェンス)です。 これまでの震動台は、小・中規模のものについては世界中至る所に数多く見られますが、E−ディフェンスは、その名前から実大・三次元・破壊というキーワードで特徴づけられ、実物大の構造物を破壊させるために必要な性能を有しています。そして、E−ディフェンスにおける実験以外に、実物と同じ大きさの構造物が壊れていく過程を調べる方法は、実質的にないといえます。これが、E−ディフェンスを使った実験研究の大きなメリットであり、我々、防災科学技術研究所兵庫耐震工学研究センターは、究極的には「大地震から構造物被害軽減に如何に貢献するか」を目指し、研究に取り組んでいます。 特長
あの兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)から12年。安心・安全の確保は国民の最大関心事です。来るべき大地震に対しての不安を解消できる新たな補強方法や新工法の開発のためには計算だけではわからない点を検証することが必須です。
実大三次元震動破壊実験施設(愛称:E−ディフェンス)は、実大規模の建物(戸建2棟分、中層建物もそのまま)などに兵庫県南部地震クラスの地震の揺れを前後・左右・上下の三次元に直接与えることで、その揺れや損傷、崩壊の過程を詳細に検討できます。E−ディフェンスは構造物の耐震性向上に関わる研究開発と実践を促進する「究極の検証」手段です。 三次元震動台の基本仕様
E−ディフェンスの由来
"E−ディフェンス"は実大三次元震動破壊実験施設のニックネームです。
"E"はEarth(地球)を"ディフェンス"は、地球規模で災害を未然に防ぎ、国民の生命と財産を守る研究開発への期待を示しています。また、ロゴは沢山の公募により選定させて頂き、"大地の割れと地震の姿"、及びこれに対応するE−ディフェンスの"三次元の動き"を三色で表現しています。 |