活動報告

2025.11.5

中学校の防災学習に「YOU@RISK」が活用されました

2025年10月1日(水)に、岩手県の洋野町立大野中学校にて「YOU@RISK」を活用した防災学習が実施されました。今回の防災学習は、岩手県洋野町と岩手大学・森本客員教授(岩手県県立図書館館長)にご協力いただき、文部科学省が策定した「実践的な防災教育の手引き」に掲載されたYOU@RISKの活用法や指導案を基に、先生方が主体的に授業を計画し、YOU@RISK子ども版を活用した授業を実践していただきました。

災害過程研究部門では、防災科研が開発したWeb-GIS「YOU@RISK」を学校等でご活用いただくため、子ども版の開発と検証を進めております。今後、今回の学習内容を分析してYOU@RISK子ども版-洪水の効果を検証を進めてまいります。

概要(洋野町立大野中学校提供資料より一部抜粋)

名称 『大雨・洪水ワークショップII』~防災科研「YOU@RISK」を使った防災学習~
日時 2025年10月1日(水)5・6校時(13:30~15:35)
会場 洋野町立大野中学校 体育館(岩手県)
参加者 全校生徒102名
目的 「YOU@RISK」の活用を通して、ハザードマップの活用の仕方を身につけさせ、防災学習(命を守る学習)において、自ら考え、自ら判断し、自ら行動できる生徒を育てる。
協力 防災科学技術研究所 社会防災研究領域 災害過程研究部門
永田客員研究員、小田客員研究員、今泉研究員

学習内容

 個の学習
はじめに「YOU@RISK」の使い方を学び、学校周辺や自宅周辺にどのような洪水リスクがあるのかを把握し、どのように避難すれば良いのかを学習しました。

会場全体の様子
学校周辺や自宅周辺の洪水リスクを把握する様子
「YOU@RISK」を操作する様子

 グループワーク
次に、グループに分かれ、浸水リスクのある行先で避難が必要になる場面を想定したシナリオのもと、自分でリスクを把握し、思考し、判断できるようになることを目的とした学習を行いました。最後は、各グループで「行先にどのような浸水リスクがあったか」「複数ある避難場所から、なぜここを選んだのか」をテーマにポスター発表を行いました。

グループワークに取り組む生徒の様子
自らリスクを把握・思考・判断できる力の育成を目的とした学習の様子
テーマにポスター発表の様子

はじめのうちは「YOU@RISK」の操作に慣れていなかった生徒の皆さんも、授業を通じて、その地点にどのような浸水リスクがあるのか、避難場所はどこにあるのかを把握できるようになりました。さらに、出かけた先でも避難に必要な情報を把握し判断するということを実践できるようになりました。
また、今回の防災学習には洋野町職員も視察に訪れ、生徒が一人一台の端末を使って行う「Web-GIS教材での防災学習」について視察されました。

関連情報

社会防災研究領域 災害過程研究部門

〒305-0006 茨城県つくば市天王台3-1