降雪粒子観測施設 ( FSO : Falling-Snow Observatory )
雪氷災害の危険度を面的に把握するためには、どこにどれだけの雪が降るかという降雪量分布とともに、どのような雪が降るかという降雪特性の分布を知る必要があります。そのための方法として、観測には気象レーダー、予測には気象予測モデルが用いられています。このような、気象レーダーや気象予測モデルの精度を高めていくためには、多様性に富んだ降雪粒子の諸特性(形状、密度、構成結晶、含水状態など)について、地上での検証観測を行うとともに、これらを定量的に扱うための研究を進めています。
降雪粒子観測施設(FSO)では降雪粒子の詳細な観測を実施しています。

露場から見た降雪粒子観測施設
施設の屋外部分には、降雪粒子への風の影響を除くために二重のネットで囲んだスペースがあり、各種ディスドロメーター(個々の降雪粒子の形状と終端落下速度を計測する装置)と雨量計が設置されています。
一方で、CCDカメラを用いた降雪粒子観測システムを備え、連続的かつ細かい時間分解能で降雪粒子の落下中の形状を正確に記録しています。
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CCDカメラを用いた降雪粒子観測装置
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粒径・落下速度分布の観測例
本施設には室温を0℃以下に保つ低温室があります。開閉式の開口部を天井に備え、自然の降雪を直接室内に取り入れることができます。この低温室では顕微鏡観察や粒子質量、新雪の物理特性など様々な測定を行うことができます。

降雪粒子観測施設を上から見た様子。開口部が開いている状態。