研究集会・ワークショップ
降雪に関するレーダーと数値モデルによる研究 in長岡 (第18回)
JPCZ revisited
- 開催日時
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2019年11月21日(月) 14時~17時30分
2019年11月22日(火) 9時20分~11時40分 - 開催場所
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国立研究開発法人 防災科学技術研究所 雪氷防災研究センター 大会議室
- ダウンロード
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講演要旨集ダウンロード 18thFY2019_Abstract.pdf
主旨
昨冬から報道で“JPCZ”という言葉が見られるようになった。これはメソ気象学ではよく知られており、日本海寒帯気団収束帯(Japan Sea Polar airmass Convergence Zone; Asai 1988, 天気, 35, 156-161)である。JPCZは日本海中西部及び北海道西岸にしばしば発達し、静止気象衛星ひまわり画像で太い帯状雲として認識できる。通常その南西側に発達した積乱雲が連なり、それが特定の地域に上陸し続けると大雪となる。 JPCZに伴う雲のメソスケール構造は航空機、船舶、レーダー等を用いて調べられてきており、Murakami(2019, JMSJ, 97, 5-38)のFig. 15に鉛直断面の模式図が示されている。しかし、JPCZに伴う雲の実際のメソスケール構造は多様であり、地形の影響も事例毎に異なる可能性がある。JPCZ上陸地点の正確な予測は容易ではない一方、上陸し続けた場所では災害となることがしばしばある。JPCZの降雪過程、積乱雲の発達過程をできるだけ定量的に理解できれば、予測と災害対応力の向上につながると期待される。この点を念頭に置いた議論の場を提供したい。
プログラム
- Session I : JPCZ理解の現状(19日14時~)
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中井専人(防災科研 雪氷防災研究センター)
「JPCZの関係する近年の大雪災害」
鳥山泰宏(新潟地方気象台)
「平地中心の大雪に関する予報現場における検討」
- Session II : JPCZの関係する降雪粒子の特性(19日15時30分~)
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橋本明弘(気象庁気象研究所)
「2018年北陸に大雪をもたらした降雪雲の雲物理特性に関する数値実験」
幾田泰酵(気象庁)
「雲物理過程の改良とGPM衛星観測の再現」
本吉弘岐(防災科研 雪氷防災研究センター)
「長岡における冬期季節風時の降雪粒子・降雪結晶について」 - Session Ⅲ : 水平シアー場における雲と渦の発達とその環境(20日9時20分~)
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山下克也(防災科研 雪氷防災研究センター)
「JPCZの新潟県中部の降雪粒子種分布」
猪上華子(気象庁 気象研究所)
「庄内地方における水平シア場の渦の高分解能レーダー観測」
本田明治(新潟大学)
「日本海上の収束雲形成にかかわる総観場・循環場の特徴」 - 総合討論(20日11時20分~)
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- 構内見学(総合討論終了次第)
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20日、ワークショップ終了後、希望される方を対象に職員による所内見学説明会を行います。 事前のお申し込みは不要です。