雪崩発生のメカニズム
雪崩発生のメカニズム
斜面上の積雪は重力による斜面方向の力(駆動力)と支持力が釣り合っています。
何かの原因で駆動力が支持力より強くなると雪崩が発生します。地表面で滑ると全層雪崩、雪の内部で滑ると表層雪崩といいます。
駆動力が支持力より強くなるメカニズムは2種類あります。駆動力の増加と支持力の減少です。その原因には降雪、降雨、気温、雪質の変化、積雪上への加重などがあります。
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メカニズム1 駆動力増加
駆動力増加の原因は
・短時間のまとまった降雪
・強風で飛ばされた雪が大量にたまる
・積雪上への加重(登山者の体重など) -
メカニズム2 支持力減少
支持力減少の原因は
・融雪や降雨による雪粒子の融解や、積雪底面の摩擦低下
・雪質の変化による支持力の小さい層(弱層)の形成
資料
雪崩発生時の動画
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全層雪崩が自然発生する様子をビデオカメラで捉えることに成功しました。
近年、定点カメラを活用して自然に発生する雪崩の映像が次々と得られるようになってきました。記録された映像は雪崩の運動解析にとって大変貴重で、これにより雪崩の速度や到達距離を測定することが可能となり、現在、当研究所が開発しているリアルタイムハザードマップの検証に役立てられています。