災害情報
南米エクアドルのトゥングラワ火山で火砕流噴火

南米エクアドルにあるトゥングラワ火山(標高5023m、写真)で、2月6日に火砕流噴火が発生しました。この火山には、防災科研が協力しているJICAプロジェクトにより、最新式の地震計と空振計(噴火に伴う大気の振動を計測)が設置されており、今回の活動の監視にもこれらの機材と解析システムが活用されました。
トゥングラワ火山に3点設置された観測点で(図1)、今回の噴火活動が明瞭に記録されました。2月6日の1日分(時間は世界標準時に基づく。世界標準時と 日本時間との差は-9時間)の地震計と空振計の記録を図2に示しました。5時頃から地震計および空振計の記録とも振幅が大きくなり、ここから噴火活動が活発化した事が分かります。
噴火の活発な状態は10時間程度続き、その間に火砕流が発生しました。この火山の監視を行っているエクアドル国立理工科大学地球物研究所から、これらの観測記録に基づき警戒情報が発出されました。それにより住民避難が行われたことや、火砕流の規模が比較的小さかったため、人的被害は発生していない模様です。

図1:トゥングラワ火山の位置(左)と観測点配置(右)

図2:2月6日の1日分のBMAS観測点(図1)の地震計(上)および空振計(下)の記録。1つのラインが1時間分の記録を表す。縦軸の時間は世界標準時に基づく。世界標準時と日本時間との差は-9時間。