理事長挨拶

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国立研究開発法人防災科学技術研究所

理事長 中埜 良昭

2026年10月1日付けで防災科学技術研究所(防災科研)の理事長に就任しました中埜良昭です。
平素より防災科研の研究開発業務ならびに事業推進に対し、多大なるご理解とご支援を賜り、心より御礼申し上げます。

我が国は、地震、津波、火山噴火、豪雨、土砂災害、豪雪など、さまざまな自然災害が発生する国土に位置しています。直近では令和8年熊本地震や令和8年8月千葉豪雨などの大きな災害が発生しました。また近年は、気候変動とも関連した自然環境の変化による災害の頻発化・激甚化に加え、南海トラフ地震や首都直下地震といった大規模地震の発生が懸念されています。
さらに、人口減少や少子高齢化、一極集中、既存ストックを活用する社会への移行など、我が国を取り巻く社会環境は急速に変化しており、災害リスクの多様化・複雑化への対応が喫緊の課題となっています。

このような状況において、今後発生が予想されるあらゆる自然災害(オールハザード)の脅威に対し、事前防災としての「予測・予防」から「応急対応」、「復旧・復興」のすべての過程(オールフェイズ)でしなやかに対応できる、災害に強いレジリエントな社会を実現しなければなりません。

災害はいつ、どこで発生するかわかりません。リードタイムの比較的長いものもあれば突発的なものもあり、その影響も広域に及ぶものから局所的なものまでさまざまです。
こうした多様な災害による被害をできる限り軽減し、安全・安心な社会を実現するためには、災害そのものを科学的に理解し、その発生や被害を予測するとともに、災害に強い社会基盤を整備し、災害発生後の迅速な対応や復旧・復興につなげていくことが重要です。
そのために防災科学技術が果たす役割は大きく、自然科学に基づく研究開発に加え、社会や地域の実情を踏まえながら、研究成果を実際の防災・減災につなげていくことが不可欠です。

防災科研は、60余年にわたる歴史の中で、日本列島全域および近海の海底に張り巡らした地震津波火山観測網とそれを活用した緊急地震速報への貢献、主要都市域に配備された高精度の降雨観測レーダ、大型降雨実験施設・E-ディフェンス・雪氷防災実験棟といった世界最大級の大型施設を活用した先進的な研究開発、災害時における組織を超えた防災情報の共有に資する基盤的防災情報流通ネットワーク(SIP4D)など、国民の安全・安心に直結する成果を生み出してまいりました。
また、災害対策基本法に基づく指定公共機関として、災害の発生時等に必要な情報を提供するだけでなく、政府の災害時情報集約支援チーム(ISUT)の一員として災害現場に出向き、地方公共団体等の災害対応を支援してきました。さらに、国内外の研究機関や産学官との連携を通じて、我が国における防災科学技術のイノベーションの中核的機関としての役割を果たしてまいりました。

2023年度から始まった7年間の第5期中長期目標・中長期計画に基づき、人文・社会科学と自然科学を融合させた「総合知」の活用と、防災分野における「DX化」の推進に重点を置きつつ、地震・津波・火山噴火・気象災害といったあらゆる自然災害を対象として、基礎研究及び基盤的研究開発から、災害実務現場での知見・経験・ニーズを活用した研究開発まで幅広く推進し、社会実装につなげてまいります。

「生きる、を支える科学技術」を担う研究機関としての覚悟と責任を胸に、これまでの研究と成果をしっかりと引き継ぎながら、さらなる研究開発を推進してまいります。そして、その成果を社会に還元することで、これからの防災・減災に貢献してまいります。

今後とも、皆様方のより一層のご理解とご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

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