理事長挨拶

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国立研究開発法人 防災科学技術研究所

理事長 寶 馨

2023年4月に防災科学技術研究所(防災科研)の理事長に就任しました寶馨(たからかおる)です。
平素より防災科研の研究開発業務に関し、多大なご理解とご支援を賜り誠にありがとうございます。

近年、日本では平成30年7月豪雨や令和元年東日本台風による災害に代表されるように、気候変動とも関連した自然環境の変化による災害の頻発化・激甚化・広域化等が指摘されております。また、人口減少、少子高齢化、地方の過疎化、構造物の老朽化といった我が国特有の社会環境の変化についても懸念されているところです。

このような状況において、我が国は今後発生が予想される南海トラフ地震や首都直下地震をはじめとしたあらゆる自然災害(オールハザード)を乗り越えるため、自然災害に対する「予測・予防」「応急対応」「復旧・復興」のすべての過程(オールフェーズ)に対応した災害に強い社会を実現しなければなりません。

天災地変や人為的要因により生じる災害の発生を予見し、災害が発生した場合における被害の拡大を防ぎ、復旧・復興を早期化するために、防災科学技術が果たす役割は大きく、安全・安心な社会を実現し、我が国の持続可能な成長を支えるための基盤として、長期的な視野に立ち、継続して研究開発に取り組む必要があります。

防災科研は、これまで、日本列島全域および近海の海底に張り巡らした地震観測網とそれを活用した緊急地震速報、主要都市域に配備された高精度の降雨観測レーダ、災害時における組織を超えた防災情報の共有に資する基盤的防災情報流通ネットワーク(SIP4D)など、その成果が国民の安全・安心に直結する研究開発を行ってきました。また、災害対策基本法に基づく指定公共機関として、災害の発生時等に必要な情報を提供するだけでなく、内閣府のISUT(災害時情報集約支援チーム)の一員として災害現場に出向いて地方公共団体等の災害対応を支援してきました。こうした取り組みは高く評価され、国の防災基本計画にもSIP4DやISUTが明記されるに至ったと自負しております。

2023年度から始まる7年間では、防災科研は「生きる、を支える科学技術」を担う研究機関であるという覚悟の上で、第5期中長期目標・中長期計画に基づき、人文・社会科学と自然科学を融合させた「総合知」の活用と防災分野における「DX化」の推進に重点を置きつつ、我が国における防災科学技術に関する中核的機関として、地震・津波・火山・気象災害といったあらゆる自然災害を対象とし、基礎研究及び基盤的研究開発から、災害実務現場での知見・経験・ニーズを活用した出口志向の研究開発を推進して参ります。

防災科研は、60余年の歴史があります。これまでの歴史と成果を踏まえつつ、防災科学技術のイノベーションをさらに希求し、我が国及び世界における中核的機関としてレジリエントな社会の実現に向けて引き続き最大限努力して参りますので、皆様方のご理解・ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。

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