災害情報
台風9号に関する情報
台風などによる被害を軽減するために
平成19年9月7日17時15分
防災科学技術研究所
気象庁によると、台風9号は7日16時50分現在、秋田県能代市付近を毎時50キロの速度で北に向かって進んでいます。この台風により、各地でさまざまな被害が発生しています。当研究所では、このような台風などによる被害を軽減するため様々な研究開発も行っていますので、これらの研究成果のうち主なものをご紹介いたします。
台風第9号の初期解析結果など
当研究所が研究開発を進めている「マルチパラメータレーダ」を用いて捉えた降水分布と雲解像モデルCReSSによる再現実験の結果などをご覧いただくことができます。

MPレーダを用いた雨量観測
関東地方の一部においては、MPレーダを用いて観測した高分解能(500mメッシュ) の雨量情報をご覧いただけます。
このページでは、お手元のマウス操作によって地図を拡大することにより、詳細な雨 量分布を知ることができます。
また土砂災害の危険性の指標である「実効雨量」(降った雨が蒸発や流出で失われる ことを考慮して重み付き積算した雨量)を6分毎に計算し表示しています。

台風災害データベースシステム
防災科学技術研究所では、1951年以降にわが国で発生した台風による災害や被害に関する情報を蓄積した「台風災害データベースシステム」を運用し ています。このシステムを利用することで、下記のような情報を得ることが可能で、台風9号に関する対策などに利用することもできます。
この「台風災害データベース」を用いて、台風9号の経路に近いものを検索するために、台風通過場所として、東経139度、北緯35度と東経140度、北緯38度の2地点を選んで、検索を実行すると、2002年21号、1998年5号、1990年11号、1982年18号、1981年15号、1958年11号の6個の台風が該当します(下図)。このうち今回の台風の経路に近いものは1990年11号、1982年18号、1958年11号となります。

この3個の台風による、例えば床上浸水、床下浸水被害を受けた都道府県の分布について以下の図のようなかたちで見ることができます。このように、過去に発生した災害の事例や被害の範囲を知ることで、災害対策の参考資料としてご利用いただくことが可能です。


台風災害データベースの台風検索画面において、対象地域欄で、台風通過場所を選び、位置検索範囲欄で、例えば検索範囲数を2個、検索範囲度を1度とし、現在接近中の台風9号の進路予測から、例えば伊豆付近と東北内陸部をマウスでクリックすると2地点が四角で選択されます。検索ボタンを押すと、この2地点を通過した過去の台風を検索することができます。この図の場合では3個の台風が検索されます。
各台風の災害被害については、画面左下の「該当した台風」から見たい台風を選択し、災害被害リストボタンを押すと、災害被害のリスト画面が表示され ます。さらに災害被害リスト左下の「災害分布を表示」というボタンを押すと、個々の台風についての災害被害の県毎の分布、また一部の災害被害については、その発生地点も表示することができます。
このシステムはWebGIS機能を搭載しており、台風の経路と台風災害・被害の発生地点が同一地図画面上に表示されます。 このシステムを利用することで、過去の台風災害を理解することができます。