研究開発課題「豪雨による土砂災害の発生予測に関する研究」
に関わる事前評価結果について

1999年06月23日

1.はじめに

2.対象課題の概要

3.評価目的・内容等

4.評価方法

5.評価結果

評価の視点 評価結果
[研究目的と目標]
問題意識の明確さ
研究目標の妥当性
研究課題の独創性
問題意識、研究目標の妥当性は明確であり、課題の独創性は高い。陸域の地震の発生機構については、多くの課題が残されおり、これらの基礎的な研究は重要である。なお、サブテーマ2の目標が十分に絞り込まれていないとの意見があった。 
[社会的背景]
必要性及び緊急性
国研が実施する意義
社会的な必要性及び緊急性はかなり高く、国の試験研究機関として実施することの意義は高い。ただし、実際の防災に寄与するまで、かなり長い道のりがあり、国民の期待との間には大きなギャップがある。このギャップについては、社会へ向けて継続的に説明することが肝要である。 
[研究構成と内容]
サブテーマ設定の妥当性
アプローチの妥当性
研究内容の妥当性
研究ポテンシャル
これらのそれぞれは、かなり高い。 
[研究計画と予算]
年次計画の妥当性
資金規模の妥当性
研究スケジュール設定の妥当性は明確もしくは普通と意見が分かれ、不明、やや不明確との意見もあった。
資金規模は現状では適当であるが、計画の改善(後述)を考慮すれば、不足している。 
[研究実施体制]
実施体制の妥当性
実施する組織構成および人員配置に関しては、やや不足と考えられる。特にサブテーマ1は、大型規模の研究であるが人員が不足している。 
[研究成果の達成度]
全体目標の進捗度
サブテーマの成果達成度
成果の反映方法
期待される効果
関連分野への波及効果
研究全体の目標と進捗度については、計画どおりであると考えられるが、達成している、不明、遅れているとの意見もあり、評価が分かれた。
サブテーマ1では4つの活断層の掘削が行われたが、その結果何がわかったのかが明らかではない。
サブテーマ2の成果と達成度は、一部達成している。王滝地域での観測に地殻変動の観測(GPS、歪み計、傾斜計)など、地震観測以外の項目を増やして現象の特定をしなければ、仮説の検証に至るのが困難であろう。
研究成果の活用・反映方法は普通で、期待される効果はやや高いと考えられる。しかし、研究成果の活用・反映方法については、明確からやや不明確まで、期待される効果については、高いから低いまで、意見が分かれた。
サブテーマ1については、かなりの年月と予算をかけたわりには、生産物が少ないとのコメントがある。 
[その他] 仮説の検証によって地震発生の過程に迫るアプローチは、試験研究機関として評価できる。
サブテーマ1は日本ではパイオニア的な研究を進めて来た。防災科研がこの課題に取り組まなければ、この分野は日本で全く育たなかったであろう。しかしながら、どちらのサブテーマも試行段階に留まっているように見える。予算、人員を増やして、実例を増やすことと、多項目の観測を行う必要があろう。
サブテーマ1の例について言えば、一つの活断層で二ケ所以上の掘削を行うこと、サブテーマ2で言えば、上記の各種観測および王滝以外のテストサイトでの観測等である。なお、サブテーマ2については、中規模地震の結果が大地震にそのまま適用可能かどうかは、自明ではないとの指摘があった。 

[総合評価]

  • A:課題として今後も推進すべきである
  • B:一部修正して実行すべきである
  • C:再検討すべきである
コメント 総合評価はAとしたが、B、Cとする意見もあり、改善すべき点があると考える委員が多数を占めた。
予算、人員を増やすとともに、企画の段階から大学等の研究者との共同研究として衆知を集め、防災科研のイニシアチブのもとで、計画を実施することが望ましい。例えばサブテーマ1に関して言えば、活断層研究者との協力が不十分である。 

6.外部評価委員

氏名 所属
委員長 古谷尊彦 千葉大学大学院自然科学研究科教授
委員 井野盛夫 財団法人静岡総合研究機構 防災情報研究所長
委員 岩松 暉 鹿児島大学理学部教授
委員 佐々恭二 京都大学防災研究所教授
委員 山岸宏光 新潟大学理学部教授
委員 山田 正 中央大学理工学部教授

7.委員会プログラム

11時30分~11時40分
11時40分~11時45分
11時45分~11時55分
11時55分~12時05分
12時05分~13時00分
13時00分~13時30分
13時30分~14時10分
14時10分~15時15分
14時10分~14時50分
14時50分~15時40分
15時40分~15時50分
15時50分~16時00分
16時00分~17時45分
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