お知らせ
技術賞・特別功績賞 受賞
雪氷防災研究センターの研究活動に対し、11月に秋田市で開かれた「2006年日本雪氷学会」において、下記の2つの賞が授与されました。
技術賞
(独)防災科学技術研究所雪氷防災研究センター
件名:雪氷災害発生予測システムの構築


- 授賞理由
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2004/2005年冬と2005/2006年冬の2冬季は19/20年ぶりの豪雪で,各地で様々な雪害が多発した。2005年冬は中越地震直後の豪雪で,防災力の低下した被災地域の雪氷災害が大きな問題となり,2006年冬は全国で死者150人を超える人的被害や数多くの家屋の倒壊,集落の孤立などの多大な被害をもたらし,「平成18年豪雪」と命名された。この時期,雪氷防災研究センターでは,同センターにおいて精力的に開発した「雪氷災害発生予測システム」を用いて,各種雪氷災害の危険性を評価,ホームページ 等を通じて公表してきた。特に2006年冬には,孤立した新潟・長野県境の秋山郷に通じる国道405号線周辺の雪崩発生危険度を予測し,道路管理者等の行政機関に提供すると共に,新聞,テレビ,ラジオを通じて広く公表し,一般市民の安全,生活基盤の確保に貢献した。この予測システムは,雪崩の他,道路の雪氷状況や吹雪など各種の雪氷災害の発生予測に有効であり,また湿り雪,乾き雪の別なく使用できる国際的にも例を見ない優れたもので,今後はさらに広い地域にわたって有効な活用がされるものと期待される。
このような「雪氷災害発生予測システム」の構築と活用が高く評価され,防災科学技術研究所雪氷防災研究センターに技術賞が授与された。
特別功績賞
新潟県中越地震・雪氷災害調査検討委員会
件名:中越地震後の雪害軽減に関する日本雪工学会との合同委員会活動


- 授賞理由
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2004年10月23日に発生した新潟県中越地震の直後に,(社)日本雪氷学会と日本雪工学会の合同委員会として発足した「新潟県中越地震・雪氷災害調査検討委員会(委員長 小林俊一新潟大学名誉教授)」は,間近にせまる冬の雪氷災害の軽減のため,これまでの学会活動を越える画期的な活動を雪解けまで継続した。最新のIT技術を駆使し,時には学会の枠を越えて,当該地域はもとより全国の技術者・科学者・関連機関の幅広い連携を常時保った同委員会の活動は,これからの学会活動のあり方に新たな示唆を与えた。こうした一連の活動は,関連機関との信頼醸成に貢献し,雪氷災害への社会的理解を深めただけでなく,地域社会と連携し関わりを強める面で,学会員を大きく勇気づける成果を育んだ。
地域住民や行政と学会など専門家集団が協力した,雪氷災害への半年以上に渡る持続的取り組みは,防災技術マネージメント事例としても貴重であり,「新潟県中越地震・雪氷災害調査検討委員会」に特別功績賞を授与された。
雪氷防災研究センターは佐藤篤司センター長が本委員会副委員長としてまた、センター研究員は雪崩災害現場等の調査を実施し、その報告を迅速に委員会に流すなど多大な貢献をした。