お知らせ
東日本旅客鉄道株式会社より感謝状をいただきました

地震津波火山ネットワークセンター長 青井真 (中央)
企画部長 阿部浩一 (写真右)
地震津波火山ネットワークセンターが、陸海統合地震津波火山観測網MOWLASの海底地震計データの鉄道地震防災への活用による鉄道の安全性向上への貢献に対して、東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)より感謝状をいただきました。
具体的には、日本海溝海底地震津波観測網(S-net)による地震観測データの鉄道地震防災への活用において、データ伝送方式の開発や鉄道向け配信システムの構築などを行い、鉄道分野で初となる新幹線列車制御への導入に貢献し、鉄道の安全性を大きく向上させたことに対し、感謝状を贈呈いただいたものです。
海域で発生する巨大地震は我が国に甚大な被害をもたらしており、平成23年東北地方太平洋沖地震に引き続き危惧される東日本太平洋沖の地震や近い将来に高い確率で発生が懸念される南海トラフ巨大地震への対策は、我が国にとって重要課題の一つです。防災科研では、海域で発生する地震・津波を広域かつ多点でリアルタイムに観測するため、東日本太平洋沖を中心とする日本海溝沿いにS-netを、南海トラフ巨大地震の想定震源域に地震・津波観測監視システム(DONET)を整備・運用しています。これらの海底地震津波観測網を活用し、海域で発生する地震や津波を早期に検知して迅速な情報伝達を行うことにより、我が国の地震防災対策の向上への貢献を目指しています。
防災科研は鉄道総合技術研究所との共同研究により開発したデータ伝送方式を活用して、S-net海底地震計データの配信システムの構築を行いました。そして平成29年11月1日より房総沖の海域のS-netデータの実配信を開始し、JR東日本における新幹線の地震防災システムでの海底地震計データの活用が始まりました。これは、世界最大規模の海底地震津波観測網およびそれを活用するための共同研究の成果が、社会基盤である新幹線をはじめとする鉄道の安全性の向上のために実装された初めての事例です。


コメント

今回MOWLASのデータが社会基盤である鉄道の防災対策の向上に実際に貢献し、それに対して感謝状をいただけたことを喜ばしく思います。今後も我が国の防災力向上に向けて、MOWLASを活用した研究開発と成果の社会実装をさらに進めてまいります。