受賞一覧
SAG 賞(Special Achievement in GIS Award)を受賞しました
防災科研が米 Esri社のSAG 賞(Special Achievement in GIS Award)を受賞しました。
「SAG 賞」は、米 Esri 社が世界 30 万以上の企業や政府機関、自治体、教育・研究機関の中から先進的かつ革新的な GIS の導入および活用によってコミュニティや社会の変革に貢献したと認める団体を表彰するものです。
受賞理由
災害時には様々な災害対応組織が同時並行で活動していますが、そこでの情報共有は、従来、文書や口頭で行われることが多く、情報が正確に伝わらない、行動に活かされないという課題がありました。防災科研の総合防災情報センターでは、災害対応組織がそれぞれ有している情報システムを連携し、保有する情報を相互に共有するためのパイプラインシステムとして、基盤的防災情報流通ネットワーク(SIP4D:Shared Information Platform for Disaster Management)を開発しています。また、共有される情報を一般に公開する Web サイトとして、ArcGIS Online をベースとした防災科研クライシスレスポンスサイト(以下「NIED-CRS」という)を構築し、豪雨災害については常時、地震災害については発生後数十分で情報を公開しています。
今回の「SAG 賞」受賞は、様々な情報を時空間的に可視化、共有することで、災害対応の意思決定ならびに災害時に被る経済的な損失をどれだけ減らし、回復をどれだけ早めるかという社会全体のレジリエンス向上にも寄与していることが高く評価されたものです。

受賞コメント
令和元年、防災基本計画に災害時情報集約支援チーム(ISUT)が明記され、防災科研はその一員として、SIP4DやNIED-CRS、ISUT-SITEを駆使した情報共有支援活動を全所一丸となって行っています。この受賞は、令和2年7月豪雨が発生し、ISUTとして活動している、まさにその最中のこととなりました。平時の備え、応急対応、復旧・復興、いずれのフェーズにおいても、情報は不可欠です。今後も、災害に強い社会の実現に資する防災科学技術として、情報の共有・利活用の研究開発に邁進します。
