受賞一覧
2022年度地域安全学会技術賞を受賞しました
災害過程研究部門の永松伸吾部門長が2022年度地域安全学会技術賞(「キャッシュ・フォー・ワーク:災害レジリエンスを高める社会技術」)を受賞し、2023年5月27日に神奈川大学みなとみらいキャンパスにおいて表彰式が行われました。共同受賞者は加藤徹生・新宅圭峰・細田幸恵(一般財団法人リープ共創基金)、竹之下倫志(一般財団法人 日本民間公益活動連携機構)の4名です。
永松部門長は、2007年から2009年まで特別研究員として当研究所の社会防災研究部門に在籍し、2007年7月に発生した新潟県中越沖地震の対応において、地元の被災飲食店が避難所向けの弁当を製造して生業の維持と回復に取り組む「弁当プロジェクト」を実践。その成果は『地震に負けるな地域経済:小千谷・柏崎発「弁当プロジェクト」のススメ』というブックレットとして当研究所より出版されました。
今回受賞したキャッシュ・フォー・ワークは、この弁当プロジェクトをより一般的に拡張したものです。すなわち、災害によってしごとを失った被災者を災害対応や復旧・復興の活動において雇用し、被災者の生業支援と地域の復興の促進を目指す手法であり、その考え方の発展や東日本大震災での実践については、永松部門長の著書(『キャッシュ・フォー・ワーク:震災復興の新しいしくみ』岩波ブックレット, No.817,2011年)にまとめられています。さらに、キャッシュ・フォー・ワークがコロナ禍における若年者の失業問題に対して取り組まれ、就労支援の要素が加わったことによって、社会のレジリエンスを高める技術として発展したことが評価されました。

左から、村尾修(地域安全学会長)、加藤徹生(リープ共創基金)、永松伸吾(防災科研)、
竹之下倫志・鈴木均(一般財団法人 日本民間公益活動連携機構)(敬称略)
竹之下倫志・鈴木均(一般財団法人 日本民間公益活動連携機構)(敬称略)