受賞一覧
令和5年防災功労者内閣総理大臣表彰を受賞しました
火山研究推進センターの清水洋センター長が令和5年防災功労者内閣総理大臣表彰を受賞しましたのでお知らせいたします。
「防災功労者内閣総理大臣表彰」とは、『「防災の日」及び「防災週間」について』(昭和57年5月11日閣議了解)に基づき、災害時における人命救助や被害の拡大防止等の防災活動の実施、平時における防災思想の普及または防災体制の整備の面で貢献し、特にその功績が顕著であると認められる団体または個人を対象として表彰されるものです。
表彰式は、9月15日に総理大臣官邸で行われました。
功績の概要
氏は、文部科学省科学技術学術審議会の委員等を歴任して、わが国の地震予知計画と火山噴火予知計画(現在は、災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画)の計画立案に関わり、令和元年7月からは火山噴火予知連絡会の会長として、地震火山の観測研究の推進と観測体制の整備に多大な貢献をしている。
また、九州大学地震火山観測研究センターのセンター長として、そして、令和5年度からは防災科学技術研究所の火山研究推進センター長として、地震及び火山の観測データと研究成果に基づき、長年にわたり、国や自治体等に助言を行い、地震火山防災体制の整備にも貢献をしている。
特に、雲仙普賢岳噴火災害時には、同氏らの観測データが現地の緊急防災対応判断の拠り所となり、その後も、火山噴火予知連絡会をはじめ防災関係の委員会等の委員として、地震火山の活動評価とハザード想定に関わり、それらは国や自治体の防災対策に反映されている。
さらに、雲仙火山の防災視察登山を実施し、防災対策の課題、危機意識を地元の自治体や防災機関等と共有する活動に加え、国の次世代火山研究・人材育成総合プロジェクトや九州大学の実践的火山専門教育拠点事業、気象庁や自治体の防災担当者研修、防災推進員(自主防災リーダー)養成講座、住民と自治体の協働による島原防災塾などを通して、防災を担う人材の育成とともに雲仙火山の噴火災害と復興を次世代に伝承する活動にも取り組まれた。
以上のとおり、地震火山の専門家として幅広く活躍し、防災行政における貢献度は多大である。
受賞コメント
栄誉ある表彰をいただき感謝申し上げます。
私は、これまで野外観測に基づき、地震・火山噴火現象の理解と地震・火山活動の予測のための基礎的な研究に従事してきました。研究者になった当初は、防災への貢献を強く意識することなく観測研究を行っていましたが、雲仙普賢岳の噴火災害に現地の観測所員として向き合う中で、自分の研究と社会との関わりについて考えるようになり、防災・減災への貢献について意識するようになりました。以後、火山噴火予知連絡会や地震調査委員会、内閣府火山防災対策会議などの国の委員会委員としての活動に加えて、長崎県や福岡県、熊本県、大分県などにおける地域の防災計画や防災啓発活動にも積極的に取り組んでまいりました。また、私は、2014年御嶽山噴火を契機とした文部科学省の次世代火山研究・人材育成総合プロジェクトの立案に関わるとともに、現在はその推進に取り組んでいます。このプロジェクトは、当研究所が中核機関として実施しているものであり、これまでの皆様のご支援とご協力に感謝申し上げます。
今後も、わが国における火山研究の推進と災害の軽減に少しでも貢献できるよう努力いたします。