受賞一覧
AI・データサイエンス特別賞を受賞しました
雪氷防災研究部門の中村一樹部門長と上石勲特別研究員がAI・データサイエンス特別賞を受賞しましたのでお知らせいたします。
この賞は土木学会構造工学委員会のAI・データサイエンス論文集において、読者より高い評価を得た優れた論文に授与されるものです。
受賞対象論文
AI技術を活用した冬季道路路面判別の効率化
李 瑾、 阿部 雅人、 杉崎 光一、 中村 一樹、 上石 勲
- 抄録
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近年、低頻度降雪地域では、降雪の際に、道路での車両の大規模滞留が見られる。道路管理者による異常事態の監視や路面状態の判別は、主に目視で行われているため、異常検知の効率がやや低い。
本研究は、道路管理者が迅速に異常検知や処理判断をするための支援ツールとして、ドライブレコーダーの画像をもちいて、道路路面を「乾燥」、「湿潤」、「浸水・冠水」、「湿雪」、「圧雪」の 5種類へ目視分類した教師データを作成した。また、自動で路面状態を判別する AIモデルを構築し、昼と夜を合わせた 26199枚の画像で検証した結果、概ね 85%の正答率であった。
受賞コメント
この度は、AI・データサイエンス賞特別賞を受賞させていただきありがとうございました。
本研究にご協力いただいた関係者の皆様に深く感謝いたします。
雪氷災害は、雪の深さや量だけではなく雪の質が原因で生じます。それは道路上の雪も同様で、例えば湿った雪が路面を悪化させることによりスタックや事故が生じ、立ち往生を発生させます。
本研究は、道路上に積もった雪の深さだけではなく、湿っているのか、圧雪しているのかなど雪の質も考慮した路面状態について、車載のドライブレコーダーなどで撮影された画像からAI判定する技術を開発したものです。
現在は、この研究成果を発展させ、各種センサーを搭載した移動観測車(写真参照)を活用して教師データを収集し、AIの判定要素の拡張と判定精度の高度化に取り組んでいます。さらに、多くの道路管理者とともに実証実験を行い、新しい道路管理につなげるための共創研究を推進しています。