参画機関

東北大学災害科学国際研究所

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災害科学国際研究所(IRIDeS)は、東日本大震災の約1年後に発足した、東北大学で最も新しい研究所です。2011年3月11日、東北地方太平洋沖地震およびそれに伴う巨大津波が発生し、福島第一原子力発電所の事故も加わって、広域複合災害「東日本大震災」となりました。この未曾有の大災害により約2万人が亡くなり、東日本は大きな打撃を受けました。その教訓から学び、大災害を二度と繰り返さないことを使命に、2012年4月、東北大学はIRIDeSを発足させました。

IRIDeSでは、文学・理学・工学・医学などの研究者約100名が、災害科学の深化および実践的防災学の構築にあたっています。今日に至るまで、東日本大震災の被害把握、巨大地震・津波メカニズムの解明、震災アーカイブの整備など、着実な成果を挙げてまいりました。従来の学術分野の枠組にとらわれず、産・学・官・民の多様な方々との連携活動を活発に行い、かつローカルとグローバルの視点を併せ持つのが特色です。IRIDeSは、被災地支援を進めるとともに、2015年の第3回国連防災世界会議開催に際しては、同会議の誘致を全面的に支援し、本体会議に加えてパブリックフォーラムにも参加し、議論を先導しながら様々な提言を発信しました。その後、IRIDeSは、同国連会議で策定された世界の防災指針「仙台防災枠組」をはじめとする世界の国際アジェンダを実現するべく尽力しています。2015年4月には、仙台防災枠組の実施を強力に推進するため、本学に災害統計グローバルセンターを立ち上げました。東日本大震災の後に顕在化した新たな災害やリスクにも取り組み、さまざまな課題の解決に向けて活動しています。

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当初、7部門36分野で発足したIRIDeSは、2021年度、より強固かつ柔軟な研究・実践活動に向けて研究部門を再編するとともに、防災実践推進部門を新設しました。2021年度、「東北大学災害復興新生研究機構」が「東北大学グリーン未来創造機構」へ改組され、IRIDeSは同機構の3つの柱の1つであるRecovery & Resilience分野においても一役を担うことになりました。また、2022年度、IRIDeS内に「災害レジリエンス共創センター」も設置され、多様な主体と連携し、災害レジリエンスを最大化する「総合知」を共創することを目指しています。

東日本大震災から11年がたった今日、IRIDeSは「東北大学ビジョン2030」のもと、活発な研究・実践活動を続けています。東北被災地の復興は引き続き最重要課題であり、また、千島海溝・日本海溝における地震・津波、首都直下地震、南海トラフ地震、気候変動による災害激甚化等への備えに役立つ研究も必要です。これからもIRIDeSは、東日本大震災の教訓をもとに重要な社会課題を見据え、国内外におけるレジリエント社会の実現に取り組んでまいります。

東北大学における災害科学・レジリエンス共創体制

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  • 東北大学災害科学国際研究所 〒980-8572 仙台市青葉区荒巻字青葉468-1
  • https://irides.tohoku.ac.jp/