参画機関

国立研究開発法人防災科学技術研究所

#

防災科学技術研究所(防災科研)は、「一人ひとりが基礎的な防災力を持ち、高いレジリエンスを備えた社会」の構築に貢献することを目的として、あらゆる種類の自然災害(オールハザード)を対象に、災害発生前後の全ての段階(オールフェイズ)について総合的な防災科学技術の研究開発を進め、「生きる、を支える科学技術」によって人々の命と暮らしを支えていきます。

防災科学技術は、多くの学術分野で構成され、また、成果の社会実装が強く求められる分野です。防災科学技術が成果を上げるためには、社会そのものをよく知り、社会が真に必要とする研究成果を提供しなければならず、そのためには「共創」が必要です。防災科研は、我が国の「防災科学技術研究におけるイノベーションの中核的機関」として、日本全国を網羅する観測網によるデータと世界有数の大型実験施設などによる防災科学技術分野の優れた研究成果等を共有しつつ、産学官民の関係者とのパートナーシップをさらに強化・発展させて、防災科学技術に関するイノベ—ションを継続的に推進する仕組みを構築し、防災科研全体で「共創」を推進しています。

#

一人ひとりの行動につながる「情報プロダクツ」を社会に提供しています。

防災科研は、災害を科学技術的に観測・分析するだけでなく、その成果を情報プロダクツ化して社会に提供し、一人ひとりの行動につなげることまでを視野に入れた研究に取り組んでいます。あらゆる種類の災害の、予防から応急対応、復旧・復興までのあらゆる段階を、研究対象としています。
防災科研が生み出す価値とは、一人ひとりの行動につながる情報プロダクツの創出であり、その達成のための5つのプロセスが下図です。観測や実験で得たデータをモデル化(事象の性質を見出して定義づけ)し、ステークホルダーが理解し利活用できる情報プロダクツを創出し、社会へ配信し、一人ひとりの行動につなげます。

防災科研の価値創造モデル

#

防災科研の情報プロダクツ

#

ソラチェック 
首都圏の雨、風、雷、ひょうのきめ細かいリアルタイム情報を求め、地図に重ねて見える化したウェブサイトです。 (図:降雨分布の表示例)

bosaiXview(防災クロスビュー)
災害発生の恐れがある警戒時や災害発生時に、ハザード情報や被害情報を速やかに発信します。

先端研究施設

災科学技術の研究開発には、ハザードが生じさせる「極端な状態」の再現・観測が不可欠です。防災科研では、地震、豪雨、雪氷について先端的な研究を行える世界有数の大型実験施設を有しています。小規模な施設では得られないリアルなデータの観測を通じ、産学官の共創や民間企業・メーカーの利活用を推進しています。先端的研究施設利活用センターを設置し、ユーザー本位で実験施設の利活用を促進し、建造物等の性能評価手法の標準化など、科学技術の社会実装に努めています。

#

[E-ディフェンス](実大三次元震動破壊実験施設)
世東日本大震災級の震度7の揺れを再現できる世界最大の施設(震動台20m×15m)です。長周期や直下型を含めた地震動をリアルに再現し、住宅や産業インフラ等の耐震性能の評価や対策技術の検証に活用されています。

[大型降雨実験施設]
世界最大級の散水面積を持つ降雨実験施設です。霧雨から毎時300mmのゲリラ豪雨まで10分ごとにコントロールでき、土砂崩れや浸水の研究、ドローンや自動運転技術の検証等、官民問わず幅広く活用されています。

#

[雪氷防災実験棟]
真夏でも天然に近い結晶形の雪を再現し、降らせることのできる世界唯一の施設です。雪や氷が起こす現象の解明や、屋根雪・着雪・吹雪・雪崩などに関わる災害対策の効果をリアルに検証できます。

効果的な成果普及活動を展開しています

防災科研では研究開発の成果を広く一般の方々に知っていただくため、毎年、成果発表会を年開催しています。令和3年度成果発表会は、「来るべき国難級災害に備えて2022 ~国難にしないために~ モノで守り、行動を変える」をテーマとし、池上彰氏を特別ゲストコメンテーターに迎えてハイブリッド開催しました。

令和3年度成果発表会   2022年2月28日

#
  • 国立研究開発法人防災科学技術研究所 〒305-0006 茨城県つくば天王台3-1
  • https ://www.bosai.go.jp/