お知らせ
国立研究開発法人防災科学技術研究所
書籍「しなやかな社会の実現~きたるべき国難の先に」を発行しました
防災科学技術研究所(本部:茨城県つくば市、理事長:林 春男)と日本電信電話株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:澤田 純)は、防災科学技術×IOWNによる防災の知見と科学技術で南海トラフ等国難級災害を乗り越えて「しなやかな社会」の実現にどう貢献できるかについて、2021年3月11日を皮切りにスタートした全5回のワークショップを通して、防災科研45名・NTT21名で構成された「『レジリエンス社会』をつくる研究会」のメンバーで検討を行い、求められる技術とめざすべきしなやかな社会像について議論を重ねました。防災科研の目指すべき姿、次期中長期計画にも繋がるこの議論の成果を書籍としてまとめ、「しなやかな社会の実現~きたるべき国難の先に」として発行いたしました。
- 書籍タイトル
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しなやかな社会の実現~きたるべき国難の先に
- 編著者
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「レジリエンス社会」をつくる研究会
防災科学技術研究所と、IOWN構想の実現を推進している
NTT宇宙環境エネルギー研究所をはじめとするNTT研究所
および研究企画部門がタッグを組んで結成した共同研究会。
高島雄哉
小説家+SF考証。 - 書店発売日
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2022年4月20日(水)[紙・電子同時発売]
- 目次
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プロローグ:二つの巨大地震 ─ 2035年、日本を襲う国難級災害
第1章:「しなやかな社会」の理想像と、乗り越えるべき「現実」
第1節 東日本大震災からの社会的な出来事
第2節 「しなやかな社会」シリーズ3冊の振り返り
第3節 東京2020大会を振り返る
第4節 防災科学技術研究所の構想
第5節 NTTのIOWN構想
第6節 防災科研の科学技術×IOWN
第2章:国難級災害を乗り越えるためのレジリエンス
第1節 これから起きる国難 苦難の21世紀前半
第2節 国難級災害による経済的ダメージ
第3節 レジリエンスの定義を改めて考える
第4節 新たにめざすべきレジリエントな社会の姿
第3章:「しなやかな社会」を実現するために求められる科学技術
第1節 どのような科学技術が求められているか
第2節 レジリエントな社会実現のための知の統合に関する研究開発
第4章:真に「しなやかな社会」を育むために
第1節 社会像を描く必要性 関東大震災と復興ビジョン
第2節 今後めざすべき、しなやかな社会像とは
第3節 「しなやかな社会」の実現
エピローグ:しなやかな未来 ─2060年、国難級災害を乗り超えて
コラム メタバースとIOWN構想
コラム バルセロナにおけるコモン化の試み - 参考(本文抜粋)
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第2章:第4節 新たにめざすべきレジリエントな社会の姿
前節ではレジリエンスの定義とレジリエンスモデルについて考察した。
ここで改めて、本研究会がめざそうとしているレジリエントな社会を定義してみる。
災害・危機に対してレジリエントな社会を一言で説明すれば、あらゆる種類・規模の災害・危機に対して持続可能な社会である。社会を構成する多様な主体により、予測、予防、応急対応、復旧・復興の各過程において科学的な知見に基づき、円滑な意思決定や合意形成がなされる社会とも言える。
また、各主体が自助、互助、共助、公助の力で災害・危機に耐え、復元し、時にはより新しいかたちに変容して、災害・危機をしなやかに乗り越えられ、さらに、進展する科学技術の成果を最大限に活用し得る知の基盤が根付いている社会であるとも定義できる。
そうした社会をつくるために、あらゆる種類の自然災害を的確に把握し、自然環境や社会環境のありようを計測してレジリエンスを評価すること、そして客観的データや科学的知見を生かし、各主体が適切・迅速に意思決定できる基盤をつくり、各主体のレジリエンス能力の持続的な向上を支援することを実現していきたい。
図表2-12が、新たな考え方に立ったレジリエンスモデルである・・・・・・ - 図表2-12 めざすべき「レジリエントな社会」の概要1
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イノベーション共創本部共創推進室 kyoso-madoguchi[AT]bosai.go.jp
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