お知らせ
国立研究開発法人防災科学技術研究所
地震発生時に保護者に保育所の建物状況と防災に役立つ情報を即時に連絡する取り組みを開始
「防災力向上研究プロジェクト~心配性バイアスを活用した啓発/自治体災害対応DXの推進~」における実証実験
国立研究開発法人防災科学技術研究所(理事長:林 春男)は、茨城県つくば市の協力を得て市内保育所に地震計を設置し、地震発生時に震度(相当値)および保育所建物の状況を保護者に即時にメールで連絡する実証実験を2022年11月中旬から2023年3月頃まで実施します。このメールには、過去に発生した災害情報や防災に関するヒント、さらに防災グッズ情報を併せて配信することで、保護者に災害に対する備えを促す、防災力の向上の取り組みも行います。実証実験の前後で保護者にアンケートを採ることなどで防災力の変化について検証します。
内容(詳細は別紙参照による)
- 実施主体
国立研究開発法人防災科学技術研究所
※ 本実験は、「令和4年度災害レジリエンス向上のための社会的期待発見研究」の採択課題の一つとして実施します。
協力
茨城県つくば市
※市内において実証フィールドの提供など、「つくば市未来共創プロジェクト事業」の協力を得て実施します。 - 期間
2022年11月中旬~2023年3月頃 - 場所
つくば市真瀬保育所 - 参加者
つくば市真瀬保育所に子どもを預けている保護者(任意参加) - 内容
保育所に地震計を設置し、地震発生時に震度(相当値)および保育所の建物の状況(健全性情報)を保護者に即時にメールで連絡する。メールには、過去に発生した災害情報や防災に関するヒント、さらに防災グッズ情報を併せて配信し、保護者に災害に対する備えを促すことを期待する。実証実験の前後で保護者にアンケートを採ることなどで、防災力の変化について検証する。
(別紙資料)地震発生時に保護者に保育所の建物状況と防災に役立つ情報を即時に連絡する取り組みを開始「防災力向上研究プロジェクト~心配性バイアスを活用した啓発/ 自治体災害対応DXの推進~」における実証実験
- 実験概要
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国立研究開発法人防災科学技術研究所は、2022年11月中旬から2023年3月頃までの期間、茨城県つくば市の協力(つくば市未来共創プロジェクト事業)の下で、つくば市にある保育所において「防災力向上研究プロジェクト~心配性バイアス※1を活用した啓発/自治体災害対応DXの推進~」の実証実験を行います。
本実証実験は、保育所に地震計を設置し、地震発生時にその地震計で観測したデータを基に震度(相当値)および保育所建物の状況(健全性情報)を把握し※2、それらの情報を保護者に即時にメールで連絡する内容がメインとなっています。
メール送信の際に、過去に発生した災害情報や防災に関するヒント※3、さらに防災グッズ情報を併せて配信いたします。地震が発生していない平時に防災情報を呼び掛けても、日々の生活の中ではその防災情報は埋没しがちであることから、地震発生時という状況において、保護者にとって大切な子どもを預けている保育所を心配するといった「心配性バイアス」という性質を絡めることにより、保護者に災害に対する備えをより促す、防災力の向上の取り組みを行います。
実証実験の前後で保護者にアンケートを採ることなどで心配性バイアスを活用した防災力の変化について検証します。
なお本実証実験は、今後、他の地域でも実施する予定です。- ※1 心配性バイアス
- 心配性バイアスとは、「自分にとって大切な人が心配だ、気になる」こと。「正常性バイアスで避難が遅れた」ことを乗り越えるための仕組みの一つとして期待されている性質をもたらすもの。
参照:内閣府防災教育・周知啓発WG防災教育チーム(第3回会議)
「防災教育に関するメモ」(京都大学防災研究所 矢守克也教授)
https://www.bousai.go.jp/kaigirep/pdf/210216_02.pdf - ※2 使用する地震計および建物の健全性情報
- 地震発生時に計測される地震データを基に解析を行い、建物の健全性を「点検不要」「目視点検要」「即時点検要」の3段階で評価を行います。
写真(左):実証実験で保育所に設置する地震計、図(右):建物の健全性を示す判定内容- ※3 過去に発生した災害情報や防災に関するヒントの例
- 本実証実験を実施するつくば市において、過去に被害のあった地震の情報を過去の地震災害情報として配信を行う。また、防災に関するヒントについては、災害が発生する前に知っておくべきことなど様々な情報の配信を行う。
左図:過去の地震災害情報、右図:防災に関するヒント