受賞一覧
令和6年度東北雪氷賞・学術奨励賞を受賞しました
雪氷防災研究部門の佐藤研吾主任研究員が令和6年度東北雪氷賞・学術奨励賞を受賞しましたのでお知らせいたします。
受賞課題
着雪の発生メカニズムおよび災害対策技術に関する研究
受賞者
防災科学技術研究所 雪氷防災研究部門
佐藤研吾 主任研究員

受賞理由
佐藤研吾会員は、これまで着雪現象に関わる発生メカニズムならびに着雪災害対策技術に関わる研究を実施してきた。特に防災科学技術研究所雪氷防災研究センター新庄雪氷環境実験所に赴任後は、雪氷防災実験棟において効率的な着雪実験手法を確立するために、湿雪作成装置の開発や湿雪降雪の自動化などを成功させて、着雪実験手法の発展に大きな貢献をした。また他の大学や研究機関と協力して多数の共同実験を推進し、国内の着雪研究のレベル進展に寄与するなど、着雪研究を通じて産官学の連携推進にも多大な貢献をしてきた。またそうした経験に基づき、着雪実験手法の標準化を産官学で推進するなど,今後の着雪対策品などの試験手法の標準化の確立にも資する重要な役割を果たしている。その他、雪氷防災実験棟における着雪実験や東北地方における着雪観測に基づく着雪予測モデルを構築し、着雪リアルタイムハザードマップを提案するほか、予測モデルの試験運用により、各種インフラにおける着雪災害対応の高度化にも貢献している。
この様に、着雪に関する多様な研究活動を通じ、雪氷研究の進展にこれまで大きく貢献してきたことから、佐藤研吾会員を令和6年度東北氷雪賞(学術奨励賞)の受賞者に選考した。
*公益社団法人日本雪氷学会東北支部 東北雪氷賞・学術奨励賞の受賞理由を転載。
参考資料
- 武藤嶺奈、五十嵐若菜、佐藤研吾、岩井憲一、ムハンマド・ヴイルク、今井健一郎、中根一郎、木村茂雄、2023、小規模着氷時の風車運用について、風力エネルギー学会論文集、47(2)、62-72
- 佐藤研吾、冨樫数馬、2022、着雪現象の相対湿度依存性に関する風洞試験、雪氷、 84(2)、175-186
- 佐藤研吾、中村一樹、冨樫数馬、2021、着雪の現況把握手法の検討、東北の雪と生活、36、58-61
- 鎌田慈、室谷浩平、中出孝次、高橋大介、佐藤研吾、根本征樹、2021、鉄道車両に用いる着雪シミュレータの関発(その1)—実験による着雪発達条件の検討—、雪氷、83(1)、79-95
- Yamamoto, K, H. Matsumiya, K. Sato, M. Nemoto, K. Togashi, H. Matsushima, T. Sumita, S. Sugimoto, 2020, Evaluation for characteristics of wet snow accretion on transmission lines - Establishment of an experimental method using a vertical plate, Cold Regions Science and Technology, 174, 103014
- 木村茂雄、守田克彰、佐藤研吾、2019、着雪氷問題と塗料による対策の展望、塗装工学、54(12)、427-445
- 佐藤研吾、冨樫数馬、阿部修、2017、着雪実験のための湿雪供給方式の自動化に向けて、東北の雪と生活、32、60-62
- 佐藤研吾、小杉健二、2017、強制通風方式による湿雪作成装置、雪氷、79(6)、565-571
- 佐藤研吾、小杉健二、2016、着雪現象解明のための単純形状部材を用いた観測、東北の雪と生活、31、51-54
- 佐藤研吾、望月重人、小杉健二、2015、着雪現象解明のための単純形状部材を用いた観測、東北の雪と生活、30、65-68
- 佐藤研吾、小杉健二、望月直人、2013、着雪現象の降雪種依存性に関する基礎的研究、寒地技術論文・報告集、29、83-86