お知らせ
防災科研とDSA、防災分野におけるDATA-EX活用に向けて連携・協力を開始
−分野・業界を超えたデータ活用により災害に強い社会の実現へ−
2024年9月4日
国立研究開発法人防災科学技術研究所総合防災情報センター
一般社団法人データ社会推進協議会
災害関連情報を防災に活かす取り組みを行う国立研究開発法人防災科学技術研究所総合防災情報センター(茨城県つくば市、センター長 臼田 裕一郎、以下「防災科研」という。)とDATA-EX※1による分野・業界を超えたデータ活用を推進する一般社団法人データ社会推進協議会(東京都港区、代表理事:奥井規晶 、以下「DSA」という。)は、双方のノウハウ、技術、ネットワークなどを活用して研究成果の社会実装を推進し、災害に強い社会の実現に貢献することを目的に、相互の連携協力を強化し、共同研究、提携事業などを実施するため2024年7月1日付で協定を締結いたしました。本協定により、防災科研とDSAは以下の事項を連携・協力して行います。
- 防災分野における新たなデータスペース※2の構築とデータスペースを活用した研究開発
- 最新動向に関する情報交換
- 必要に応じた共同提言
DSAではDATA-EX推進タスクフォース内に防災専門チームを立ち上げ、防災科研が持つ令和6年能登半島地震などのさまざまな災害対応で得た知見を活かし、散在する避難所/車中/知人宅などにいる避難者のニーズ情報を、DATA-EXを活用して円滑・セキュアに政府・自治体・公的災害対応機関・民間事業者・NPOなどに共有することで、被災者支援を迅速に行える仕組み「防災分野のデータスペース」(図1) の技術的実証を検討するとともに社会実装を目指してまいります。
また、本年6月21日に閣議決定された「デジタル社会の実現に向けた重点計画」では防災DXとして「防災デジタルプラットフォームの構築」「データ連携基盤の構築」「被災者支援の充実」が重点的に取り組まれることが計画されています。今回、防災科研とDSAは、データ主権を確保しつつ分野間連携が容易に実現できるDATA-EXの特徴を活かし、国が進める防災DXの取り組みとの連携を模索してまいります。
国立研究開発法人防災科学技術研究所総合防災情報センターについて
日本はこれまでに数多くの災害を経験しています。しかし、その経験を知らず、活かせず、現在でも同じ経験を繰り返してしまうことも少なくありません。
必要なのは経験と知識の共有。平時には過去の経験や将来の予測に関する情報を、災害時には現在の被害状況や対応に必要な情報を共有することが大切です。
総合防災情報センターでは、社会で取り組むべき予防・対応・回復の全フェイズを対象に、災害に関する情報=“ 知”を集約、再編、発信していきます。
一般社団法人データ社会推進協議会について
一般社団法人データ社会推進協議会(DSA)は、産官学が連携し、日本だけでなく世界とも協力しながら、分野を超えた公平で自由なデータの流通と活用ができる社会(データ社会)を通じて、豊かな社会の実現に寄与することを目的として、連邦型の分野横断的なデータ連携を目指す「DATA-EX」を推進しています。また、国際的な取組みとしてDFFT(Data Free Flow with Trust:信頼性のある自由なデータ流通)の実現に向けた国際協調の体制であるInternational Open Forum on Data Society(IOFDS)※3に参加しております。「DATA-EX」について詳細は当団体ホームページをご覧ください。
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※1 一般社団法人データ社会推進協議会ホームページ「DATA-EXとは」
https://data-society-alliance.org/data-ex/※2 データスペースとは、統一されたガバナンスとそれぞれのデータ主権の下で、複数の主体が相互にデータを転送したり共有したりする空間のことである。データスペースは特定の活動体や実装装置ではない。したがって、データスペースはデータを収集、保持、処理しない。データスペースは、参加者のガバナンスと行動を管理する少なくとも1つ以上のオーサー・エンティティを持つべきである。データスペースの参加者は、1つ以上のデータ提供者、データ利用者、仲介者の役割を持つことができる。
※3 International Open Forum on Data Society(IOFDS)
https://iofds.org/