受賞一覧
2024年度日本雪工学会技術賞を受賞しました
雪氷防災研究センターの中村一樹センター長と上石勲特別研究員が2024年度日本雪工学会技術賞を受賞しました。
中村一樹センター長と上石勲特別研究員の「スマホAI路面判定システムを活用した冬期道路管理に関する研究」が優れた業績をあげ、雪工学の進歩発展に著しい貢献をされたとして評価されたものです。

受賞業績名
- スマホAI路面判定システムを活用した冬期道路管理に関する研究
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受賞理由
中村一樹氏、上石勲氏の両名は、スマートフォンを活用したAI路面判定システムの研究開発を進めた。本システムは、車両に設置したスマートフォンで走行するだけで、「路面状態」「路肩の積雪」「道路幅」をAIが自動判定し、WEB上で共有できるものである。
本システムは2023年冬期に新潟市、2024年冬期に札幌市に導入され、2025年1月現在、東北・北陸を含む多数の自治体で活用が広がっている。導入自治体からは、パトロールルートの最適化、迅速な苦情対応、除雪判断、災害時の情報共有などの有用性が認められ、冬期以外の道路管理にも応用が期待されている。
以上のことから、日本雪工学会技術賞に相応しいものと判断した。
日本雪工学会誌 Vol.41 No.2(Ser.No.159)2025年4月発行 日本雪工学会より引用


受賞コメント
このたびは、日本雪工学会技術賞を受賞させていただきありがとうございます。推薦していただいた方や選考委員をはじめとする日本雪工学会の皆様に感謝致します。
近年雪国では、除雪の担い手の人手不足や財政難の中、局地的な大雪の頻発により、これまでのような道路維持管理が難しい状況になってきています。本研究は、低コストで手軽にスマートフォン等によって得られるカメラ画像を用いて、路面状態や路肩の雪堤の高さなどを自動的にかつリアルタイムでAI判定し、人の目を通さずに広い領域の道路状況の把握を迅速に行い、効率的な除排雪を行うことを目的に実施したものです。
本研究は、実際に使うことが想定される自治体や企業等の皆様に試験的にシステムを使用していただきながらフィードバックを得る「共創研究」のスタイルで進めています。そのため、今回の受賞は、共に研究に取り組んだステークホルダーの皆様や研究に協力していただいた皆様のおかげです。ここに感謝申し上げます。
今後は、開発したシステムが一日も早く実運用となり、安心安全をベースにした雪国の暮らしの豊かさに貢献できるように研究を進めたいと考えています。