報道発表
E-ディフェンスを活用した減災対策実験
-土のう構造体を用いた道路盛土の新たな耐震補強工法の実用化を目指して-
令和元年10月15日
国立研究開発法人防災科学技術研究所
兵庫県
プレス発表資料(公開実験のお知らせ)
国立研究開発法人 防災科学技術研究所(理事長:林春男)と兵庫県は、共同研究として、実大三次元震動破壊実験施設(E-ディフェンス)を活用し、土のう構造体を用いた道路盛土の耐震補強工法の性能を検証します。今回の実験では、鋼製土槽(W1 6m×D4m×H4.5m)の中に実大規模の高さ4mの盛土の一部を施工し、盛土の脇にタイプの異なる2種類の土のう構造体を設置した補強を行います。震動実験では、これらの耐震性能を比較検証することを目的としています。
- 実験主体:国立研究開発法人防災科学技術研究所、兵庫県
(兵庫県の協力機関として、神戸大学) - 日時:令和元年11月12日(火)13時00分受付開始(13時30分受付締切)
- 場所:国立研究開発法人 防災科学技術研究所 兵庫耐震工学研究センター
〒673-0515 兵庫県三木市志染町三津田西亀屋1501-21 - 対象:報道機関・研究機関・建設関係者・防災関係者・一般の方など
報道機関の方:
別添の「プレスご回答用紙」にてFAXでお申し込み下さい。
また、事前のご質問に関し、「プレスご回答用紙」に添えて提出下さい。
報道機関以外の方:
http://www.bosai.go.jp/hyogo/(要事前登録 定員80名 先着順) - 内容:別紙資料による。
- 本件配布先:文部科学記者会、科学記者会、筑波研究学園都市記者会、兵庫県政記者クラブ、三木市政記者クラブ、大阪科学・大学記者クラブ
- 【担当者】 国立研究開発 法人 防災科学技術研究所
-
地震減災実験研究部門
主幹研究員 中澤 博志
主任研究員 河又 洋介兵庫県 企画県民部 防災企画局
防災計画班長 森口 芳隆
防災計画班 森田 明平国立大学法人 神戸大学大学院工学研究科
教授 澁谷 啓
准教授 加藤 正司
- 【連絡先】
-
国立研究開発法人 防災科学技術研究所
兵庫耐震工学研究センター研究推進室TEL:0794-85-8211(代表)
FAX:0794-85-7994
Mail:e-def[AT]bosai.go.jp
※[AT]を@に変換してください
1.研究背景・目的
兵庫県内では耐震性の低い道路盛土や宅地盛土が多数存在します。1995 年の阪神・淡路大震災では、大蔵谷ICの道路盛土が大崩壊し、西宮百合ヶ丘や芦屋では、宅地盛土の大規模崩壊がありました。また、2009 年には駿河湾を震源とする地震により東名高速道路(静岡県牧之原)で道路盛土が崩壊し、我が国の交通の大動脈が寸断されました。一方、被災した盛土の本復旧には多大な時間と費用を要するのが現状です。国土強靱化の一環として社会基盤諸施設の耐震化が進む中で、低廉で迅速な盛土の耐震補強工法の研究開発は、まさに喫緊の課題となっています。
本共同研究で提案する耐震補強に係る新技術は、「土のう構造体を用いた道路盛土の耐震補強工法」です。本工法は、盛土のり尻(注 1)の土を掘削して作製した大型土のうを積み上げ、その上下を土のう支圧板で挟み込み、プレストレス(注 2)用鉄棒により締め付けることにより、剛な構造体(=補強体)とする工法です。高価なコンクリート、鉄等の人工物ではなく、盛土の土をそのまま活用することにより工費・工期の縮減を図ることができるのが最大の特長です。
本研究では、土のう構造体を用いた道路盛土の耐震補強工法の実用化を目指して、当該補強工法の耐震性能を検証します。大型土槽(図 1)の中に、図 3 で示すような高さ 4mの実大盛土を造成し、その両サイドに積層方法の異なる2つのタイプの土のう構造体を設置し、E-ディフェンスの震動台上でこれらの耐震性能の比較検証を実施します。

図 1 鋼製土槽の概要
2.実験内容
- 図1に示す土槽内に対象断面の実物盛土を造成します。一つは、土のう構造体を1段タイプの積層方法で設置した試験体、もう一つは、2 段タイプの積層方法で設置した試験体です(図2、図3)。
- 試験体施工終了後、土槽を実験棟内に運搬し、E-ディフェンスの震動台上に設置・固定します。
- 今回の公開実験で用いる地震動は、震度5弱及び震度6弱相当の加速度(注3)を繰り返し与える正弦波(注 4)を用いた加振を行う予定です。


- (語句説明)
-
注1 のり尻
のり尻(法尻)とは、盛土の場合、地盤と盛土の接点部分です。注2 プレストレス
予め荷重を与え、生じさせる引張り力のことです。今回の実験では、土のう群を硬い構造体にするため、土のう支圧板に取付けた鋼棒に予め引っ張り力としてプレストレスを与えます。注3 震度5弱から震度6弱相当の加速度
今回の実験では、5Hzの正弦波の加速度振幅を100Galから450Galを上限に考えています。気象庁の周期及び加速度と震度(理論値)の関係によると、加速度を100Galにした場合の揺れは震度4、250Galでは震度5弱、上限の450Galでは震度6 弱に相当します。実験では、震度5 弱および6弱の揺れとする予定です。なお、今回の実験条件は、最大加速度が40回繰り返し作用することから、実際の地震より過酷な条件となります。
注4 正弦波
形がきれいに整っている単独の周期による波。実験の基礎データを得る際に良く用いられる波形です。
3.実験スケジュールと留意事項
- (1)公開実験スケジュール(案)
-
令和元年11月12日(火)
13:00 受付開始
13:30 受付締切
13:45 事前説明(計測制御棟1 階ロビー)
14:30 公開実験開始(準備状況によりやむを得ず変更する場合があります。)
15:15 公開実験終了(予定のため遅れる場合があります。)
16:00 記者会見(計測制御棟1 階ロビー) - (2)取材上の留意事項
-
- 見学及び取材にあたっては、現場の係員の指示に必ず従って下さい。安全には細心の注意を払っていますが、防災科学技術研究所に明らかに瑕疵があった場合を除き見学者、報道関係者の怪我、機材破損等の責任は負いかねますのでご了承下さい。
- 工程の都合上、実験の予定が変更される場合があります。
- 試験体内部並びに震動台上にはお入りいただけませんのでご了承下さい。
- 実験棟北側3階フロアに報道関係者専用席を設けます。専用席でのビデオカメラ等は各社1台とします。
- 加振5分前からライト、フラッシュ等は禁止です。
- 当施設には、食堂売店が無く、コンビニエンスストア等も近傍に有りません。
- 見学者、報道関係者用の待機部屋はございません。
- 施設敷地内では禁煙へのご協力をお願いいたします。
- 実験棟内では、ヘルメットを必ず着用して下さい。
<交通のご案内>
- 【電車をご利用の場合】
-
神戸電鉄押部谷駅・緑が丘駅よりタクシーで約10分
神戸電鉄緑が丘駅より神姫ゾーンバス防災公園線で約15分(防災公園前下車) 神戸市営地下鉄西神中央駅よりタクシーで約25分
新幹線新神戸駅よりタクシーで約40分
※タクシーをご利用の場合、公開実験終了後は大変込み合いますので事前のご予約をお勧めします - 【乗用車をご利用の場合】
-
山陽自動車道三木東ICより約5分
※施設近辺に駐車場を用意しておりますが、限りがございます。
なるべく、乗り合わせてお越し下さいますようお願いいたします。国立研究開発法人防災科学技術研究所
兵庫耐震工学研究センター(E-ディフェンス)
〒673-0515 兵庫県三木市志染町三津田西亀屋
1501-21 Tel:0794-85-8211(代表)/ Fax:0794-85-7994
防災科学技術研究所 兵庫耐震工学研究センター 研究推進室 公開実験担当 行
(FAX:0794-85-7994)
お手数ながら、11月6日(水)までにご回答お願いいたします。
PDFファイルをご覧いただくには、アドビシステムズ社が配布しているAdobe Reader(無償)が必要です。Adobe Readerをインストールすることにより、PDFファイルの閲覧・印刷などが可能になります。
Adobe Readerのダウンロード