報道発表
長周期地震動の予測情報に関する実証実験(第3期)を開始
-実証実験への皆様の参加をお待ちしています-
令和元年11月12日
気象庁地震火山部
国立研究開発法人防災科学技術研究所
気象庁と国立研究開発法人防災科学技術研究所は、
長周期地震動の予測情報に関する実証実験(第3期)を開始します。
実験開始にあたり実証実験への参加者を募集します。
どなたでも御参加いただけますので、皆様の参加をお待ちしています。
長周期地震動とは、大きな地震が発生したときに生じる長い周期の揺れであり、遠くまで伝わり、高層ビル等を長時間大きく揺らす特徴があります。この長周期地震動について、緊急地震速報と同様に、事前に予測情報が提供できれば、大きな防災上の効果が期待されます。
このことから、気象庁と国立研究開発法人防災科学技術研究所は、平成29年度より、長周期地震動の予測情報を提供する際の課題の抽出や利活用方法の検証を行うことを目的に、実証実験を行っています。今般、今年度の実証実験(第3期)の開始にあたり、以下のとおり参加者を募集いたします。
- 募集開始
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令和元年11月12日(火)14時
- 実験期間
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令和元年11月12日~令和2年3月31日
- 参加募集人数
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登録完了順に先着3,000名
※インターネットに接続されているお手持ちのスマートフォンやタブレット、パソコンで御覧いただくことができ、どなたでも御参加いただけます。 - 参加費
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無料
- 実証実験サイト
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https://www.lmoniexp.bosai.go.jp/
(長周期地震動の予測情報に関する実証実験第3期を開始します
-長周期地震動モニタ2019を使って、御意見をお聞かせください-)詳細については別紙を御参照ください。
- 「長周期地震動モニタ」を使った実証実験の概要と参加登録方法
- 「長周期地震動モニタ」とは
- 長周期地震動及びその予測情報の検討経緯
「長周期地震動モニタ」を使った実証実験の概要と参加登録方法
- 長周期地震動の予測情報に関する実証実験の概要
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長周期地震動とは大きな地震が発生したときに生じる長い周期の揺れであり、遠くまで伝わり、高層ビル等を長時間大きく揺らす特徴があります。高層ビル等では、長周期地震動により什器類の転倒や移動等が発生し、重大な災害が起こるおそれがあるため、緊急地震速報と同様に、長周期地震動についても事前に予測情報が提供できれば、大きな防災上の効果が期待されます。
気象庁と国立研究開発法人防災科学技術研究所(以下、「防災科研」という。)は、長周期地震動の予測情報を提供する際の課題の抽出や利活用方法の検証を行うことを目的に、平成29年度から実証実験を行っております。この実証実験では、地震が発生し緊急地震速報が発表された際に、防災科研が開発した「長周期地震動モニタ」により参加者の皆様に長周期地震動の予測を確認いただいた上で、その使いやすさや利用方法について大きな地震の発生後や実験期間終了時に実施するアンケート調査に御協力いただきます。なお、「長周期地震動モニタ」では、任意の地点における長周期地震動の予測や、地図上に表示される日本全国の長周期地震動の予測及び防災科研が運用する全国各地の強震計で観測されるリアルタイムの長周期地震動の様子を合わせて御覧いただけます。
実証実験にはどなたでも御参加いただけますが、特に、長周期地震動とその対策や防災に関心のある方、高層マンションにお住まいの方、高層ビルでお仕事をされている方、高層ビルが多い地域にお住まいの方などの御参加をお願いいたします。(参考:長周期地震動の実証実験全般について)
https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/study-panel/tyoshuki_joho_kentokai/ex/index.html - 募集概要
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募集開始:令和元年11月12日(火)14時
実験期間:令和元年11月12日~令和2年3月31日
参加募集人数:登録完了順に先着3,000名(予定数に達した段階で受付終了)
簡単なWebアンケートに御協力いただきます。アンケートは実験終了時や顕著な地震発生時に実施予定です。【アンケートの質問例】
- 長周期地震動モニタの情報をきっかけにどのような行動を取りましたか。
- 長周期地震動モニタの今後改善して欲しい点は何ですか。
- 新機能である訓練モード機能やポップアップ通知機能の使い勝手等の感想。
本実験の参加費は無料です。ただし、配信データを受信するためのインターネット接続費用は、参加者の御負担となります。
- 実証実験(第 1 期、第 2 期)の検証結果を踏まえた改善
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これまでに実施した同様の実証実験のアンケート結果によると、4分の3以上の実験参加者に、長周期地震動や長周期地震動階級への関心の高まり、理解の深まりといった効果がみられました。また、長周期地震動モニタの改善等への御意見では予測が提供された時点でポップアップするなどの通知機能を希望する回答を多くいただきました。
これらの実証実験(第1、2期)の際にいただいた御意見を反映し、今回実施する実証実験(第3期)では、令和2年1月頃より、ポップアップ型の通知機能の追加を予定しています。また、それに加えて、実証実験の期間内に地震が発生しなくても、あたかも今地震が発生しているものとしてとるべき対応の確認や検証ができるように、過去の大地震時の長周期地震動の予測・観測情報を各参加者が指定した時刻に提供する「訓練モード」を追加しました。
(こちらの機能は実証実験開始時より御利用いただけます。)実証実験(第1期、第2期)の検証結果 - 参加登録方法
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以下の実証実験サイトより参加登録へお進みください。
実証実験サイト:https://www.lmoniexp.bosai.go.jp/
(長周期地震動の予測情報に関する実証実験第3期を開始します
-長周期地震動モニタ2019を使って、御意見をお聞かせください-)- 実験参加を希望する方は、参加登録フォームよりメールアドレスとパスワードを登録してください。登録されたメールアドレスには、防災科研や気象庁から各種の連絡をすることがあります。ただし、本実証実験以外の目的で使用をすることはありません。
- 参加にあたっては、登録用サイトに掲載している利用規約を事前に御確認ください。
- 参加登録フォームの画面イメージ
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「長周期地震動モニタ」とは
「長周期地震動モニタ」は、国立研究開発法人防災科学技術研究所(以下、「防災科研」という。)が開発した、長周期地震動をモニタするWebページです。参加者は緊急地震速報をもとに推定した長周期地震動の予測と、防災科研が運用する全国各地の強震計で観測されるリアルタイムの長周期地震動の様子を合わせて御覧いただけます。揺れの大きさに応じて色をつけた点を地図上に表示することで、揺れの伝わっていく様子や予測状況を動画として閲覧できます。また、長周期地震動に加えて震度等の情報も表示する従来の強震モニタも同時に御覧いただけます。
2018年度(第2期)のアンケート調査結果等を参考に「長周期地震動モニタ2019」では、新たに以下の機能を追加しました。
- 追加機能
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訓練モード:参加者が指定した時刻に大地震時の長周期地震動の予測・観測情報を提供
ポップアップ通知機能:地震発生時に、長周期地震動の情報を通知(令和2年1月より開始予定)

長周期地震動及びその予測情報の検討経緯
- 長周期地震動とは
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大きな地震が発生したときに生じる、周期(揺れが1往復するのにかかる時間)が長い揺れのことを長周期地震動といいます。長周期地震動が発生すると、高層ビル等が大きく長時間揺れ続けることがあります。また、長周期地震動は短周期の揺れに比べ遠くまで伝わりやすい性質があり、地震が発生した場所から数百kmはなれたところでも大きく長く揺れることがあります。長周期地震動による大きく長い揺れでは、家具類が倒れたり落ちたりする危険に加え、大きく移動したりする危険もあります。
平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震でも、東京都内や大阪市内の高層ビルで、低層階よりも高層階で揺れが大きくなり、長周期地震動による家具の転倒や移動等の被害があったことが確認されています。 - 長周期地震動階級とは
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高層ビル等での長周期地震動による揺れの大きさは、震度では十分に表現できないため長周期地震動階級という指標で表します。長周期地震動階級は人の行動の困難さの程度や、家具類等の移動・転倒などの被害の程度から4つの階級に区分しています。最近では、平成30年北海道胆振東部地震において階級4、令和元年6月18日の山形県沖の地震においては階級3の長周期地震動が観測されました。
- 気象庁における長周期地震動に関する予測情報の検討経緯
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気象庁では、高層ビル等を対象とする長周期地震動の予測技術、予測情報及び観測情報の提供に関して、「長周期地震動に関する情報検討会」(座長:福和伸夫名古屋大学減災連携研究センター長、以下、「検討会」という。)を開催し、学識経験者等の協力を得て検討を進めてきました。
平成29年3月に検討会がとりまとめた報告書では、「広く国民に警戒・注意を呼びかける予測情報は気象庁が担うべき」とされた一方、「個々の高層ビル等の多様なニーズに対応する予測情報は民間の役割が重要」とされたことから、予測技術、利活用方法等の検討・検証を行う「多様なニーズに対応する予測情報検討ワーキンググループ」(主査:北村春幸東京理科大学副学長、以下、「WG」という。)を設置し、検討を進めてきました。
平成31年3月にWGがとりまとめた報告書では、「今後さらに具体的な検証に役立つよう実証実験の取り組みを拡大・継続させるとともに、より多くの過去事例を使った検証や実際の揺れに対する情報の活用事例の蓄積などを行うことで情報の有用性等を確認していくことも重要である」とされています。