報道発表
国立研究開発法人防災科学技術研究所と国立大学法人山口大学の包括連携・協力に関する協定書の締結について
2020年3月25日
国立研究開発法人防災科学技術研究所
国立大学法人山口大学
国立研究開発法人防災科学技術研究所( 理 事長:林 春男、茨城県つくば市天王台 3丁目1番地、以下、防災科研)と国立大学法人山口大学(学長:岡 正朗、山口県 山口市吉田1677-1、以下、山口大学)は、包括的な連携を行うことで合意し、3月19 日(木)、山口大学において、包括連携・協力に関する協定書を締結いたしましたの で、お知らせいたします。
- 包括連携・協力の目的について
防災科研及び山口大学は、包括的な連携・協力のもと、研究開発、教育、地域貢献、産学連携及び国際交流等の各面にわたって広く協力し、社会にその成果を還元することによって、我が国の学術及び産業の発展と人材の育成、またこれらを通じて安全・安心な社会の実現に貢献することを目的としています。 - 具体的な取組事項について
防災科研及び山口大学は、以下の事項について連携・協力し、調査研究等を進めて参ります。
(1) 研究開発に関すること。
(2) 人材育成に関すること。
(3) 地域貢献及び産学連携に関すること。
(4) 国内外の機関等との連携に関すること。
(5) その他、両機関が必要と認めること。 - 本件配布先
文部科学記者会、科学記者会、筑波研究学園都市記者会、
山口県教育庁記者会、山口県政記者会、宇部市記者クラブ、山口ケーブルTV 以上
(資料)国立研究開発法人防災科学技術研究所と国立大学法人山口大学との 包括連携・協力に関する協定書に基づく具体的な連携事項について
- (まえがき:両組織の概要)
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- 防災科学技術研究所
- 防災科学技術研究所(以下、防災科研)は、防災科学技術を向上させることで「災害に強い社会を実現する」という基本目標の下、防災力を構成する「予測力・予防力」「対応力」「回復力」の向上を目指し、地震・津波・火山・気象など世界に類を見ない高密度な観測網を活用した観測研究、世界最大級の実験施設を用いた実験研究、効果的な災害対応や復旧・復興に向けたハザード・リスク研究、これらを統合する情報利活用技術の研究など、幅広い研究を行う国立研究開発法人である。
- 山口大学
- 山口大学は 9 学部 8 研究科を有する総合大学であり、総合大学である特徴を活かして様々な文理融合の教育研究を進めるとともにダイバーシティ・キャンパスの実現を図っている。防災分野においても工、理、農、医、人文、経済等、多くの分野に研究者を有しており、文理融合、国際的なユニークな研究を進めている。
- 研究開発に関すること。
山口大学では衛星リモートセンシング分野の防災への利用に関して世界レベルの研究を進めており、防災科研においても「対応力」の向上のための研究開発として、この分野に注力している。したがって今回の協定を締結することによって、両者にとって大きなメリットが考えられる。
具体的には、内閣府「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」における「国家レジリエンス(防災・減災)の強化」にて、災害発生直後から衛星データ等を一元化し、いち早く被災状況解析し、その結果を災害対応機関等(国レベルから市町村レベルなど)へ提供する、という研究プロジェクトを防災科研が中心となって進めており、山口大学もそのメンバーとして重要な役割を担っている。
本協定の締結によってこのプロジェクトがより一層進むとともに、「対応力」の向上に向けた研究開発のみならず、「予測力・予防力」「回復力」の向上につながる研究成果等の創出も期待できる。 - 人材育成に関すること。
すでに防災科研と山口大学は研究者間の交流を行っているが、上記(1)の研究開発を共同で進めることによって、将来的にはクロスアポイント制度も含めて一層研究者間の交流が促進される。さらには山口大学大学院生の防災科研でのインターンシップも考えられる。 - 地域貢献及び産学連携に関すること。
防災は実社会に密着した分野であり、さらにカバーする分野が非常に広い。災害に強い社会の実現が防災の研究開発の目的であるが、そこには様々なハードおよびソフトの研究開発が必要である。それには必然的に国レベルだけでなく、地域社会に密着した産学連携が必要になり、これを推進していくことが重要である。 - 国内外の機関等との連携に関すること。
防災科研、山口大学はともに国内外の研究機関と共同研究や交流を活発に行っている。防災科研は、災害発生後に被災現地へ入って、行政等の情報支援を行っており、山口大学は衛星データを素早く解析して行政へ提供する活動をしている。今後、両者が連携して国内外の機関と連携できる体制と構築しておくことは、今後も頻発することが予想される豪雨災害や、台風災害に対して、また将来の発生が懸念される南海トラフ地震や首都直下地震等への対応に有用である。 - その他、両機関が必要と認めること。

協定締結式の様子
左から、国立大学法人山口大学 岡 正朗 学長、 国立研究開発法人防災科学技術研究所 林 春男 理事長
左から、国立大学法人山口大学 岡 正朗 学長、 国立研究開発法人防災科学技術研究所 林 春男 理事長