報道発表
大阪府吹田市と連携協力協定を締結
2023年03月17日
国立研究開発法人防災科学技術研究所
国立研究開発法人防災科学技術研究所(理事長:林春男)と大阪府吹田市(市長:後藤圭二) は、レジリエントな社会の構築のための地域の共創基盤の構築に向けて、連携協力に関する協定を締結しました。本協定に基づき、「市民・地域の防災力向上に関すること」「吹田市の災害対応力の向上に関すること」「平時の防災行政実務および災害対応のDX化に関すること」「市町村間の広域連携に関すること」の4項目を中心に、レジリエントな社会の構築を目指した技術開発および実証研究を促進していきます。
1.内容(詳細は別紙参照による)
国立研究開発法人防災科学技術研究所(以下「防災科研」という。)と大阪府吹田市(以下「吹田市」という。) は、双方の持つ知見、学理を融合し、それぞれの現場、立場においての活動を連携させるために協力を行うことで合意し、本日、吹田市役所において連携協力に関する協定を締結しました。本協定に基づき、防災科研と吹田市は、レジリエントな社会の構築を目指した技術開発および実証研究を促進していきます。
2.締結名義
国立研究開発法人防災科学技術研究所 理事長 林 春男
吹田市 吹田市長 後藤 圭二
(別紙資料)国立研究開発法人防災科学技術研究所、大阪府吹田市と連携協力協定を締結
- 1.背景
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防災科研は、1963年(昭和38年)に「国立防災科学技術センター」として設立され、防災科学技術における研究開発の中核的な役割を担う国立研究開発法人です。「生きる、を支える科学技術」というアイデンティティを掲げ、防災科学技術を発展させることで人々の命と暮らしを支えていくという姿勢のもと、さまざまな自然災害を対象として、災害の予測、予防から復旧・復興までの全フェーズで防災を捉えて、防災科学技術の研究開発を総合的に推進し、各種の社会課題の解決に取り組んでいます。
吹田市は、大阪府北部の北摂地域に位置し中核市に指定されています。吹田市は平成30年大阪北部地震において災害対応を経験しており、防災分野においては庁内の危機管理システムの更新、それに対応した災害対策本部執務室の改良など情報技術の活用を中心とした取り組みを推進しています。また、近年は地理的に東西に連なる4自治体の頭文字を取りNATS(西宮市・尼崎市・豊中市・吹田市)と呼ばれる府県の枠組みを越えた新たな都市間ネットワークを形成し、市民サービスの向上や各市が抱える課題の解決に向け、連携した取り組みを進めています。 - 2.経緯
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令和4年度においては、防災科研災害過程研究部門を中心に、災害時の応急期における災害対応のDX化に関するプロジェクト(以下「応急対応DX」という。)を進めており、吹田市総務部危機管理室を含めた複数の市町村における危機管理部門の実務者と、大阪北部地震の災害対応経験を元にした災害対応実施過程に関するデータの収集、応急対応DXに関連する意思決定を支援するような情報プロダクツ開発に向けた要件の整理、活用を支える業務や組織の標準化に関する議論等をDX研究推進会議として位置付け、定期的に実施しました。また今後開発する情報プロダクツとの連携を視野に入れ、防災科研防災情報研究部門との連携も併せて進めており、情報技術を活用した府県をまたぐ広域的な災害対応の在り方についての議論の展開も期待されます。情報技術の導入だけではなく、さらなる活用に向けた業務や組織の標準化は、災害過程研究部門および防災情報研究部門において重要な研究課題であるとともに吹田市にとっても今後の課題として一致しています。
以上から双方の持つ知見、学理を融合し、それぞれの現場、立場においての活動を連携させることで、レジリエントな社会の構築のための地域の共創基盤の構築に向けて、双方が協働で取り組むことを狙いとして、連携協力協定を締結することとなりました。 - 3.内容
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本協定にもとづき、防災科研と吹田市はレジリエントな社会の構築を目指した技術開発および実証研究を促進する目的として、以下の連携協力を行っていきます。
- 市民・地域の防災力向上に関すること
双方の地域防災や災害対応の向上のための活動現場を両者の研究、開発、実践に効果的に活用し、活動内容の充実を図ります。また、関係する企業や団体等を積極的に巻き込み、産学官連携した活動を推進いたします。 - 吹田市の災害対応力の向上に関すること
防災科研が有する災害において発生する社会的現象のモデル化とシミュレーション技術を活かし、災害対応力の向上を目指します。 - 平時の防災行政実務および災害対応のDX化に関すること
応急対応DXに関連する意思決定を支援するような情報プロダクツ開発に向けた要件の整理、活用を支える業務や組織の標準化に関する議論等を定期的に実施します。また複数自治体での情報システムを同時活用した災害対応訓練・演習等、情報技術のさらなる社会実装に向けた取り組みならびに研究活動の推進等も実施します。 - 市町村間の広域連携に関すること
情報技術の活用や、今後の大規模災害を見据えた府県をまたぐ広域的な災害対応の在り方について、定期的に研究会を開催して意見交換を実施し、共通の理解を形成、研究開発と実践の高度化を目指します。
上記の他にも、さまざまな連携事業に取り組んでいく予定です。
- 市民・地域の防災力向上に関すること

防災科研と吹田市の連携協力協定締結式の様子
