報道発表
民間会社の支援を受け東京都心に新たな強震観測施設を設置
2023年8月29日
国立研究開発法人防災科学技術研究所
国立研究開発法人防災科学技術研究所(茨城県つくば市、理事長:寶 馨)は、鹿島建設株式会社および東京海上日動火災保険株式会社のご支援を受け、全国強震観測網 K-NETの観測施設を東京都心の山手線内側(港区赤坂および渋谷区千駄ヶ谷)に初めて設置し、2023年9月1日より強震観測を開始します。
1.内容
国立研究開発法人防災科学技術研究所(以下「防災科研」という。)が運用する全国強震観測網 K-NET(以下「K-NET」という。)は、1995年1月に発生した阪神・淡路大震災を契機として整備が進められた、被害を及ぼすほどの強い揺れ(強震動)まで正確に記録することを目的とした地震観測網です。K-NETでは標準化された強震観測を全国1,000カ所以上において継続的に行っています。四半世紀以上にわたって蓄積され、Webサイトより広く公開されている高品質の観測データは多くのユーザーによって利用されており、その成果は地震防災対策の向上に寄与してきました。首都直下地震などの発生が懸念されるなか、東京都心での信頼性の高い強震観測を継続的に実施する重要性が高まっています。東京都内に複数点のK-NET観測施設がありましたが、観測に適した用地の確保の問題などから東京都心の山手線内側にはK-NET観測施設は設置されていませんでした。
このたび、鹿島建設株式会社および東京海上日動火災保険株式会社から、観測施設の設置と設置後の運用に関する寄附や用地協力等のご支援を受け、港区赤坂および渋谷区千駄ヶ谷に新たにK-NET観測施設を設置し、関東大震災を引き起こした大正関東地震から100年の節目にあたる2023年9月1日から観測を正式に開始します。K-NETが新たに東京都心の山手線内側に展開されることにより、これまで手薄であった同地域における貴重な強震観測データの取得が見込まれます。今後取得され広く公開されるデータの解析などを通じて、東京都心における地震災害レジリエンスのさらなる向上が期待されます。また用地のみならず設置および運用の費用などを含む支援を民間企業から受けた観測施設の新規設置は、防災科研の独立行政法人化以降で初めての事例です。
なお関連イベントとして、シンポジウム「強震観測を考える—過去100年に学び今後100年に期待すること—」を2023年9月6日(水)に東京国際フォーラムにて開催します。
2.支援企業および支援内容
鹿島建設株式会社(東京都港区、代表取締役社長:天野 裕正)
東京海上日動火災保険株式会社(東京都千代田区、取締役社長:広瀬 伸一)
強震観測施設の設置および設置後の運用に関するご寄附、観測施設の土地使用に関するご協力、設置および運用に関わる各種ご協力をいただいた。
3.新設観測点情報
K-NET赤坂(東京都港区赤坂6-5-11)
K-NET千駄ヶ谷(東京都渋谷区千駄ヶ谷4-14-2)

(鉄道データ)の一部を追記して掲載
4.イベント情報
シンポジウム「強震観測を考える—過去100年に学び今後100年に期待すること—」
日時:2023年9月6日(水)13:30~16:30予定
場所:東京国際フォーラム ホールD5(東京都千代田区丸の内3-5-1)
主催:国立研究開発法人防災科学技術研究所
後援:文部科学省
定員:100名程度
詳細は以下のwebサイトを参照