報道発表
防災科学技術研究所、横浜国立大学、情報通信研究機構、横浜市が「安全・安心の判断支援に向けたゲリラ雷雨予測技術開発事業に関する連携協力協定」を締結
2026年11月2日
国立研究開発法人防災科学技術研究所
国立大学法人横浜国立大学
国立研究開発法人情報通信研究機構
横浜市
国立研究開発法人防災科学技術研究所(理事長:中埜 良昭、以下「防災科研」という。)、国立大学法人横浜国立大学(学長:梅原 出、以下「横浜国立大学」という。)、国立研究開発法人情報通信研究機構(理事長 :大野 英男、以下「NICT」という。)、および横浜市(市長:原澤 敦美)は、ゲリラ雷雨時の安全・安心に関する判断を支援する新たな情報を作成し、国民の安全・安心とレジリエントな社会の構築に貢献することを目的として、連携・協力に関する協定を11月2日に締結しました。
本協定は、内閣府の令和8年度「事前防災対策総合推進費」に採択された「安全・安心の判断支援に向けたゲリラ雷雨予測技術開発事業」を4者が連携して推進するために締結するものです。
1. 背景
近年、気象災害が激甚化する中で、ゲリラ雷雨による局地的な大雨や落雷から身を守るため、できるだけ早く危険を察知し、避難や屋外活動の中止などの行動につなげることが重要になっています。そのためには、「雷雨が起こりそうか」を予測するだけでなく、実際の行動判断に活用できる、より精度の高い情報が求められています。
防災科研はこれまで、特許技術を用いて、積乱雲ごとの予報円を地図上に表示し、危険な積乱雲の接近を把握できる「積乱雲危険度表示システム」を開発してきました。本システムでは、雷雨の発生をできるだけ見逃さないことを重視した予測を実現しています。一方で、実際には雷雨が発生しない場合にも危険と予測する「空振り」が生じることがあります。学校での屋外活動や自治体の防災対応など、現場で活用していくためには、危険な雷雨を見逃さないことに加え、こうした空振りを減らし、より的確な行動判断につながる情報へ高度化することが課題となっています。
2.概要
「積乱雲危険度表示システム」に、雷が空間をどのような経路で進むのかを3次元的に捉えるLMA(Lightning Mapping Array
)と、積乱雲内部の降水を30秒ごとに立体的に観測するMP-PAWR(Multi-Parameter Phased Array Weather Radar
)のデータを組み合わせます。これにより、積乱雲から外へ伸び、雨が降っていない場所にも到達する雷などもより的確に捉えるとともに、落雷のおそれがある範囲をこれまでより適切に絞り込むことを目指します。
あわせて、学校や自治体などの実際の利用現場で実証実験を行い、ゲリラ雷雨の接近時や通過後に、屋外活動を続けるか、中止するか、避難するかといった判断に、どのような情報が役立つのかを検証します。その結果や利用者へのヒアリングを踏まえ、実際の行動判断に役立つ防災情報の作成に向けて、システムの高度化を進めます。
このため、観測・予測技術を有する防災科研とNICT、学校教育現場での調査研究を担う横浜国立大学、自治体の防災現場を担う横浜市の4者が連携し、技術開発から実際の利用現場での検証までを一体的に進めます。それぞれの強みを生かし、雷雨を「観測・予測する技術」と、その情報を「現場の判断に生かす仕組み」の両面から検討することで、実際の行動判断に役立つ情報の実現を目指します(図1)。
3.各機関の役割
- 防災科学技術研究所
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LMA等のゲリラ雷雨観測データおよび予測情報を提供し、実証実験を運用
- 横浜国立大学
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学校教育現場におけるゲリラ雷雨避難判断の高度化に向けたヒアリング調査および実証実験を実施
- 情報通信研究機構
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MP-PAWRデータを提供
- 横浜市
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防災科学技術研究所が実施する、防災担当部署等における実証実験およびヒアリング調査に協力
4.今後の展開
本事業では、学校や自治体等における実証実験やヒアリングを通じて、ゲリラ雷雨の接近時に、利用者が危険度を直感的に把握し、屋外活動の中止や避難などの判断に活用できる、より実践的で使いやすい情報への改良を進めます。
さらに、本事業で実証を行う地域以外でも検証を重ね、多様な地域や利用場面に対応できるシステムへの発展を目指します。また、大規模災害後の避難所運営やボランティア活動などにおける安全確保への活用も検討し、将来的には、さまざまな自治体や分野で利用できるゲリラ雷雨時の判断支援情報として、全国への展開を目指します。
