先端的研究施設利活用センター
最新の防災科学技術を評価し
性能の社会基準をつくっていく

日本は世界有数の自然災害の発生国ですが、それに立ち向かうための防災科学技術の性能を評価したり、評価手法を標準化したりすることはまだ十分には成されていません。
そこで、非常に極端な状況を実験的に再現できる大型実験施設を活用して、多彩な分野で性能評価試験を行っています。
併せて、新技術の普及を目指し性能を評価するための「実験手順や条件」の標準化も進めています。
世界に誇る4つの大型実験施設で極限状況をリアルに再現
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E-ディフェンス(実大三次元震動破壊実験施設)
三木(兵庫)
地震の揺れを前後・左右・上下の三次元で再現し、実物大の構造物が破壊される様子を再現できる世界最大規模の実験施設。
鉄筋コンクリートビルや病院施設、体育館など、実物大の構造物を巨大地震で揺らす震動実験を行い、耐震性能の評価や対策技術の検証を行います。
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大型耐震実験施設(一時運用停止中)
つくば(茨城)
14.5m×15mもの大型振動台を利用し、阪神・淡路大震災の揺れも再現できる大規模な耐震実験施設。
大型振動台を活かし、石油タンクや家屋などさまざまな施設を実物大で耐震実験します。
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大型降雨実験施設
つくば(茨城)
毎時15-300mmの降雨を再現できる、世界最大級の規模と能力を誇る実験施設。
豪雨の中でのドローンの飛行性能や自動車の自動走行状況などを検証します。
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雪氷防災実験棟
新庄(山形)
真夏でも天然の雪に近い結晶形の雪を降らせることができる世界唯一の実験施設。
雪氷現象の解明や、屋根雪・着雪・吹雪・雪崩などに関する災害対策の効果検証を行います。
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極限レベルでの実験ができる
最先端の研究施設を活用して性能認証を
大型降雨実験施設戦略室長 酒井 直樹
災害時のドローンによる状況把握や調査は、今後さらに活躍が期待されます。しかし雨や風の悪天候下で、その性能は十分に発揮できるでしょうか? 最先端の研究施設を有する防災科研だからこそ、他ではできない極限レベルでの実験で、その性能を検証することができます。将来的には、関連団体と連携して評価手法の標準化や性能試験の証明書を出すことができる性能認証機関になることも目指しています。
