防災情報の統合解析・高度活用技術に関する研究
防災分野のデジタルトランスフォーメーション(DX)を目指して
防災科研では、状況認識の統一を図り、それに基づく的確な災害対応を実現するため、基盤的防災情報流通ネットワーク(SIP4D)の開発、内閣府防災担当と協働で災害時情報集約支援チーム(ISUT)を立ち上げるなど、防災実務との協働に基づく研究を実践してきました。これらを基盤にしながら、近い将来の発生が懸念される国難級災害を乗り越えられるよう、デジタル技術の発展も踏まえた研究開発を行います。
4つの研究テーマ
本研究プロジェクトでは、4つの研究テーマを設定しました。4つの研究テーマを漢字二文字で表すと、「観測」「解析」「駆動」「協働」です。
「観測」では、防災分野の枠を超えて様々な自然環境や社会環境のデータを、地理空間情報としてリアルタイムに収集・集約し、解析しやすいよう統合・変換を行う技術を開発します。
「解析」では、収集・集約された地理空間情報を活用して統合解析処理をリアルタイムに行い、シミュレーション技術も活用しながら、具体的な行動に繋がる情報プロダクツを機動的に生成する技術を開発します。
「駆動」では、生成された情報プロダクツを多様な端末・デバイスからインタラクティブに利活用することで、協調連携した行動・対策・意思決定を支援する高度利活用技術を開発します。
「協働」では、防災実務と防災研究による協働体を形成し、観測・分析・駆動それぞれの研究開発を推進し、情報プロダクツの利活用を通じた課題発見と解決が可能な防災研究DXを目指します。
目指すは防災分野のDX
所内のみならず防災分野の枠を越えた多様な組織と連携・協働し、課題の発見と解決を行う私たちの研究開発は、まさに「知の統合」といえます。このような取り組みを通じ、防災科学技術の中核的機関として、防災分野のデジタルトランスフォーメーション(DX)を引き起こし、社会全体のレジリエンスの向上を目指します。